注目ポイント
アメリカ国防安全保障協力局は29日夜、声明を発表し、米国務省が台湾駐米代表部に対し、30 ミリ焼夷えい光榴弾や多目的弾、訓練用弾等に関連技術エンジニアリングサービスを含む総額3億3220万ドルの案件と装輪車や武器、その他予備・修理用部品を1億800万ドルで売却する案件をそれぞれ承認したことを明らかにした。
台湾の国防部(国防省)は、台湾への2件の武器売却は議会に通告され、1ヵ月後に発効する予定だと述べた。
国防部によると、アメリカは「台湾関係法」と「六つの保証」に基づき、台湾に防衛兵器を供与し続けている。そのうち「30ミリ弾薬等」案件には高性能爆薬弾、徹甲弾、練習用弾の3種類が含まれており、地域の安定基盤を維持するためには即戦力弾薬の備蓄が必要だと説明している。
2021年1月の就任以来、バイデン大統領による台湾への武器売却は10件目で、今年に入ってからは2件目となる。
台湾国防部のシンクタンクである国防安全研究院の蘇紫雲院長は、《The News Lens》 の取材に対し、今回の武器売却はバイデン政権が非対称戦力をより重視していることを示し、中国共産党政府が台湾を攻撃し、容易に補給ができなくなった場合に備えて、台湾の軍備貯蔵能力を急速に高めるという台湾とアメリカのコンセンサスを意味していると述べた。
今回、承認された売却案件は精密弾薬と後方支援物資となっており、たとえば30ミリ機関砲弾薬は多目的装甲車CM34雲豹専用で、CM34雲豹は戦場での速攻攻撃や対上陸火力としても使用できる。敵の上陸用舟艇が浜辺に接近した際には射程距離2000メートルの殺傷能力を持ち、上陸用舟艇の上陸を阻止することができる。そして装輪車両の補給品や部品等は後方支援物資に該当する。

© 中央社
蘇院長は「最近の武器売却はすべて予備部品と補給品であり、費用が高い船舶は軍事援助を通じて台湾に供給される可能性がある。アメリカは昨年、『2023年国防権限法』を可決し、無償軍事援助として5億米ドルを台湾に提供することを約束した」と指摘した。
台湾とアメリカ、地雷敷設システム購入契約に調印、陳建仁行政院長「台湾の非対称戦力の増強に寄与」
一方、台湾の国防部は6月29日に調達に関する公告も公表し、台湾とアメリカがすでに対戦車地雷散布装置(ボルケーノ)の購買契約を締結したことを明らかにした。金額は45億4054万台湾ドルに上り、すでに今月21日に発効している。2029年末までに納入を完了し、本島の北部、中部、南部の3つの軍団の工兵群に配置する予定だ。
アメリカ側は、昨年12月に「ボルケーノ」システムを14セット売却すると発表した。それには、地雷敷設システム、10トン級大型長距離機動戦術トラック、M87A1地雷キャニスター、M88キャニスター訓練弾薬(練習用ダミー弾薬)、M89訓練弾薬(試験用弾薬)などが含まれ、売却額は1億8000万米ドル(約54億5000万台湾ドル)に上るが、国防部が発表した公告の内容を見ると、売却額に差異があり、購入項目や数量が若干調整される可能性もある。

© 中央社