注目ポイント
台湾で特製ラーメン旋風が巻き起こっている。海外でも話題となる衝撃的なビジュアルのラーメンも続出だが、その1、2を争うのが台湾中部の雲林にある「女巫貓葵」(斗六店)のワニの前脚を使った「ゴジララーメン」だ。同店の本店は台湾南部の嘉義市にあるが、ゴジララーメンは雲林の斗六店(王銘賢支店長)が今年6月に発表したオリジナルメニュー。どのような発想でこの特製ラーメンを世に出したのか? 同店の腕利き店員がTNL JPのインタビューに答えた。
「当初は仕入れ先の養殖場から、ワニの頭を使ったら?という提案もあったのですが、さすがにそれはグロテスク過ぎて断念しました」と笑う。
豚と鶏、両方の肉質を持つワニ肉
さてその調理法はというと、きれいに洗ったワニの前脚に、料理酒、生姜、玉ねぎ、ニンニクなどのスパイスをまぶし、先述した斗六店特製の「魔女のスープ」で約2時間煮込む。ワニ肉には特有の生臭さがあるため、それが抜けるまで時間を惜しまないのがコツだという。
簡さんによると、ワニの手の前脚の付け根部分は「豚足」に似ており、ゼラチン質が多く、肉もたっぷりついている。先端に近い部分は鶏肉のような食感だ。インターネット上には豚足似ている、または鶏肉に似てるとコメント上で議論されているが、いずれも誤りではなく、両方の肉質を備えているというわけだ。

豚ヒレ肉加えて豪華、選べる麺も
ワニ脚以外の具材をみると、ウズラ卵、豚肉、ベビーコーン、干しメンマ、キクラゲと一般的な具材だが、この店の看板メニューのひとつである豚のフィレ肉も加えて豪華さを増している。
斗六店ではひねりのきいたドリンクメニューも豊富だというので、「ゴジララーメンに合うドリンクは?」と尋ねると、簡さんはタピオカミルクティーに似たタイ風の「キャッサバミルクティー」と「星空ドリンク」(食用金粉入りの甘酸っぱいミックスフルーツスパークリング)を推奨した。
「魔女のスープ」が自慢の「女巫貓葵」斗六店だが、ゴジララーメンだけでなく、牛肉麺やロブスターラーメンなどの人気メニューもある。店では自分好みの麵を選べるが、一番人気なのが「女巫貓葵」オリジナルの「レインボー麺」で、5種類の野菜と果物を練り込んで作ったものだ。

「映える」ビジュアルに予約が殺到
簡さんがこの6月に「ゴジララーメン」を発表すると、たちまちネット上に情報が駆けめぐり、SNSで「映える」と評判を呼んで店には問い合わせや予約が殺到した。
ワニの前脚は当然、一頭から2つしか取れない。仕入れ先の養殖場から入ってくる量にも限りがあり、店では「すでに予約は9月まで埋まっています」と、うれしい悲鳴をあげている。
そんな希少部位を大胆に使用したゴジララーメンの気になるお値段はなんと、1500台湾元(約6700円)。安くておいしいものが多い台湾の物価、相場からすれば、超高級料理だといえる。ただメーンのワニの脚だけでも原材料費が1000台湾ドル(約4500円)以上かかるというのだから、他の豪華な具材や調理の手間などを考慮すると妥当な価格設定だといえるだろう。