注目ポイント
「スペック」の面から言うと島根県は決して悪くなく、物産の豊かさでも他の県に引けを取りません。しかし、島根県は依然として人口流出がひどい地域の一つで、主要観光地以外の地域は運営に非常に苦労しているのです。もし今、ストーリー立てて島根県をアピールするなら、「美肌県」と「和牛」以外にどのようなコンテンツがあるのでしょう?
天皇が即位される時の三種の神器を覚えていますか?その中の一つ「八尺瓊勾玉」の生まれた場所が、すなわち玉造温泉です。「玉」と「造」はすなわち、勾玉を製作するという意味です。玉造温泉の中にある玉作湯神社には、勾玉作りの祖神、「八尺瓊勾玉」の製作者が祀られています。三種の神器が日本文化の政治的伝承を形作ったのです。ここの勾玉は様々な種類から選ぶことができます。三種の神器の一つが初めて誕生した場所に来たからには、心ゆくまで鑑賞し、記念に一つ購入してみるのもいいでしょう。そして、ここの温泉はかつて日本一の美人湯でした。美人に美しい玉は完璧な組み合わせはではないでしょうか?
日本史上初の一目惚れと女性を助ける英雄の話も島根県から始まりました。ずばり言うと、島根県は愛に満ちた場所なのです。無数の神々がここで恋に落ち、しかもみんな愛妻家でした。ここの八重垣神社こそ、八岐大蛇との戦いの中、スサノオがクシナダヒメを一時的にかくまった場所なのです。伝説では、クシナダヒメはスサノオを一目惚れさせた女神で、彼女は毎日、ここの池の水で身だしなみを整えていたそうです。この伝説の池は、ご縁の到来する速さを占える奇跡の力があると言われています。
ご存知ですか?神在月には日本全国の神様たちが出雲大社に来るだけではなく、セミナーを回るように、各神社の間を移動しているのです。神様の足跡を追って、OO/OOの間は佐太神社へ、OO/OOになったら万九千神社へ行くのも良い選択です。特に神送りの時の万九千神社の旅立ちの御守は、八百万神のご加護を受けているので、あなたの願いを叶え、人生の新たな旅立ちを手助けしてくれるでしょう。
それはそうと、よくない人と付き合っていることに気づき、早く別れたいと思ったりしていませんか?島根県には神様がここで別れたという伝説もあります。恋愛がご縁に左右されるなら、別れはタイミングに左右されます。日本神話の歴史上、最も壮絶な別れ方をした夫婦がいたのも島根県です。喧嘩してやっと別れたイザナミを祀る揖夜神社は、八百万神の母であり、毅然とした態度で臨むイザナミが、あなたに力を貸してくれるでしょう。
ストーリーでアピールするコンテンツは、観光スポットや名産品を結びつける観光物産の「スペック競争」を、「ストーリーの共鳴」へと昇華させることができるのです。資源に恵まれなくてもストーリーや歴史のある名産店はコンテンツとして活用することができ、背後に豊富な資金を持つ企業だけが利益を得るわけではありません。そうすると、観光産業に携わる人々全員が利益を得るという真の目的を達成することができ、また観光地と観光客の心の中にある「他とは違う」という気持ちの面でのつながりを作り上げることができるのです。

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