注目ポイント
鴻海科技集団(フォックスコン)と世界有数の自動車メーカーであるステランティスは、最先端の車載用半導体を設計、販売するため、両社が折半出資して合弁会社シリコンオート(SiliconAuto)を設立した。 また、台湾チームが初めて独自に開発したADAS(先進運転支援システム)が台湾のパートナー裕隆汽車が展開する高級車ブランド「ラクスジェン(LUXGEN)」のスポーツ用多目的車(SUV)フラッグシップモデルURX NEO等に搭載される。
鴻海のグローバル路線は、次第に具体化しつつある。以前から車載用半導体の世界的リーダーであるインフィニオンと車載用電子材料を共同開発していたが、このほど世界的に有名な自動車メーカー・ステランティスと合弁会社シリコンオートを設立することを発表した。両社が折半出資するシリコンオートは、先進的な車載用半導体の設計開発を行い、既に先進運転支援システム (ADAS) が高級車ブランド「ラクスジェン」に搭載されている。
鴻海と海外大手ステランティスが合弁会社シリコンオートを設立
鴻海とステランティスは20日、合弁会社シリコンオートを設立し、両社が50%ずつ株を保有すると共同発表した。シリコンオートは、2026年からステランティスを含む自動車業界のクライアントに一連の高度な自動車用半導体の設計、販売業務を提供する予定だ。
今回の提携は、鴻海とインフィニオンが共同開発した電気自動車の高出力アプリケーション向けのシリコンカーバイド(SiC)技術をベースにしたものでもあり、トラクション・インバーター、車載用充電器(OBC)、DC-DCコンバーターなどに応用されている。
世界的な自動車企業グループであるステランティスは、2021年にフランスのPSAグループ(プジョー・シトロエン)とイタリアのFCAグループ(フィアット・クライスラー・オートモービルズ)という2つの老舗自動車メーカーが合併して設立された。
ステランティスは、シトロエン、シボレー、フィアット、クライスラー、ダッジ、プジョー、DSオートモービルズ、RAM、ジープ、アルファロメオ、マセラティなど、数多くのブランドを所有している。
同社が所有するブランドは、世界中で大きな市場シェアを占め、自動車業界に大きな影響力を持つ。
今回の合弁事業で、鴻海は情報通信業における専門知識と開発力を活かし、ステランティスと組み合わせて世界の自動車産業に攻勢をかける。シリコンオートは、専用の車載半導体製品、とりわけ電気自動車に必要な多数のコンピュータ制御機能および関連モジュール製品を主に供給する。
シリコンオートは今後、垂直統合を進める
シリコンオートはステランティスや鴻海のほか、サードパーティ向けにも半導体製品を供給する予定で、それには完全なOTAワイヤレスアップデート機能を備えたSTLA Brainという新たな電気/電子アーキテクチャーのリリースも含まれる。