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頼清徳副総統が米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに寄稿し、台湾海峡の平和を目指す上で防衛力の増強、経済安全保障の強化、民主主義陣営との連携深化、両岸におけるリーダーシップの発揮の四本柱を掲げた。米国の専門家は、頼氏の主張が蔡英文総統の両岸関係における核心的な原則を引き継ぐものだと歓迎するとの見方を示した。

(台北中央社)来年1月に投開票される総統選に与党・民進党から出馬する予定の頼清徳(らいせいとく)副総統の寄稿が4日付の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルに掲載された。台湾海峡の平和を目指す上で「防衛力の増強」、「経済安全保障の強化」、「民主主義陣営との連携深化」、「両岸(台湾と中国)におけるリーダーシップの発揮」の四本柱を掲げた。
寄稿文は「台湾海峡の平和に向けた私の計画」と題された。四本柱の1つ目として「国防は国家の安全における基石」だと指摘し、国防の転換を加速させ、非対称戦力を高めていく姿勢を見せた。
次に「経済の安全は国家の安全」と訴えた。台湾は民主化後、「ハイテク産業のリーダー」になったと言及。中国への依存は経済面で脅迫の機会を与えるとし、安全なサプライチェーン(供給網)の構築に努める方針を示した。
また、世界の民主主義国家とのパートナー関係を強めていくとも言明。台湾がウクライナに医療チームを派遣したこと、世界各国の議員や政府要人らの訪台が相次いでいることに触れ、「北京の脅迫の下、台湾は孤独ではないことを示した」とした。
最後に、両岸の現状維持は「中華民国台湾と国際社会にとって最も利益をもたらす」と強調。中国とは互恵と尊厳の原則の下、前提条件を設けない対話も排除しないとの立場を表明した。
▽米専門家「蔡総統の原則を継承」
アジアや中国の外交・安全保障に詳しい米国の専門家、ボニー・グレーザー氏は頼氏の寄稿について、ワシントンは歓迎するはずとの見方を示した。その理由として、頼氏の主張は蔡英文(さいえいぶん)総統の両岸関係における核心的な原則を引き継ぐものだからだと説明した。
(江今葉、張欣瑜/編集:楊千慧)