注目ポイント
台湾外交部は6月21日、フィジー政府が中国の圧力を受け、駐フィジー代表機関の名称を再び「駐フィジー台北商務弁事処」に改めたと発表した。中国がまたも台湾の主権的地位を脅かしたとことを批判し、国際社会は公正な判断下すだろうと述べた。
南太平洋の島国フィジー共和国では、前政権が中国から圧力を受け、2019年に台湾の駐フィジー代表機関の名称を「駐フィジー台北商務弁事処」へ、一方的に改称した。2022年末に政権が交代し、新政府は「中華民国駐フィジー商務代表団」へ改称を決定したが、今年4月にフィジーを訪問した中国の馬朝旭 外交副部長(外務次官)が圧力をかけ、報復をちらつかせため、再度改称されることになった。
台湾外交部は6月21日、フィジー政府が中国の圧力を受け、駐フィジー代表機関の名称を再び「駐フィジー台北商務弁事処」に改めたと発表した。中国がまたも台湾の主権的地位を脅かしたとことを批判し、国際社会は公正な判断下すだろうと述べた。
台湾の蔡英文総統は2019年7月に外交関係の有るカリブ海諸国を訪問したが、同時期にフィジー前政府は中国からの圧力を受け、台湾の駐フィジー代表機関の名称を「中華民国駐フィジー商務代表団」から「駐フィジー台北商務弁事処」に改めると一方的に発表した。ウェブサイトや関連書類の名称も同時に変更された。
2022年末にフィジー総選挙が行われ人民同盟党等3党による連立政権に交代した。新政府は3月24日、駐フィジー台湾代表機関に対し、今年3月15日から名称を「中華民国駐フィジー商務代表団」へ戻したこと、1971年に成立した「フィジー外交特権および免除法」に基づく外交特権を享受できることを正式に通告した。台湾ではこれを大きな外交関係の進展と評価したが、公式サイトの名前が変更されただけで、代表団の建物の看板は変更されていなかった。

© Photo Credit: 駐斐濟代表處
台湾外交部は、3月の名称変更後、中国駐フィジー大使館が厳重に抗議し、報復手段を取ると圧力をかけていたと発表した。4月 13日、中国の馬朝旭外交副部長(外務次官)がフィジーを訪問した際、重ねて強い圧力をかけたという。
「フィジー政府は数度の閣議を行ったにもかかわらず、最終的に我が国の代表機関名称を『駐フィジー台北商務弁事処』に改めると決定したことを遺憾に思う」と台湾外交部は
見解を述べた。
また、駐フィジー代表機関は1971年の設立以来、台湾モデルを活用して農業、漁業、医療、教育、人材育成などの分野での交流と協力を促進し、フィジーにとって有益なプロジェクトを実施してきた功績が認められ、新政府は代表機関の名称と待遇を向上させる決定をしていた」と補足した。
駐フィジー中国大使「中国とフィジー関係における大きな政治的障害が排除された」