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台湾に輸出する福島県産食品のイメージアップや、台湾からのインバウンド拡大などで福島と台湾の連携拡大を目指す団体が6月30日、福島市内でキックオフミーティングを開催した。
ミーティングを主催したのは日本人や在日台湾系華僑らでつくるNPO法人福島台湾経済文化交流協会で、発足させた「福島前進パートナーズ」では今後会員を募り、県内自治体や企業と台湾市場とのマッチングをサポートするなどで、福島と台湾を結び付ける活動を展開していく方針。

台湾は2011年の東日本大震災発生後、約200億円という世界的に突出した巨額の義援金を被災地に寄せた一方で、福島第一原発の事故に関連し、「核食」(放射能汚染の可能性がある食品)の扱いが与野党間で政治問題化。長らく福島県をはじめ、栃木、群馬、茨城、千葉などの食品輸入を規制してきたが、昨年2月にようやく規制を緩和した。
福島第一原発「処理水」の海洋放出は、台湾でも関心が高く、福島県などでは台湾での「核食」イメージや風評などの払しょくとともに、通常往来が本格化した現在はインバウンド拡大などが課題となっている。
キックオフミーティングには福島県議、市議をはじめ、佐藤淳一・磐梯町長、引地真・国見町長ら県内自治体首長、経済産業省、地元企業幹部やメディア関係者ら約50人が出席。
福島県飯舘村を拠点に日台間でビジネスを展開する峯岸ちひろ・株式会社サクラ・シスターズ社長が司会を務め、ゲスト講師の台湾大手デジタルメディア「The News Lens」(関鍵評論)日本版編集長、吉村剛史氏が台湾市場の現況や日本企業との連携の可能性を展望。

また福島台湾経済文化交流協会理事長の呉廷中氏、NPO法人元気になろう福島理事長の本田紀生氏らが、経産省の支援で展開してきた福島と台湾の交流事業「福島前進」活動など紹介した。
福島台湾経済文化交流協会会長の簡憲幸氏は「台湾の人たちに福島に興味を持ってもらい、食に対して興味を持ってもらうように努めたい。アプローチする福島の側からも台湾に対し理解を深める努力が必要。そのお手伝いしていきたい」などと話していた。
