2023-07-05 流台湾

台湾の道交法改正―歩行者優先社会は来るか―

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

海外メディアから、歩行者地獄と言われている台湾ですが、今、汚名返上をしようとしています。かつては青信号の交差点や歩道でさえうかうか歩いていると危険でした。安全な街作りのため、横断歩道を渡っている人がいる場合、車両は完全停止して歩行者を先に通さなければならないという規制を6月30日から施行しようとしました。長年台湾に在住している筆者からすると、台湾は初めて来た当初とは比べ物にならないくらい、交通状態は年々一歩ずつよくなっています。

1990年台からの大改革

東京、台北、バンコク、ソウル、北京など、アジアには交通渋滞が激しく、運転マナーが悪いと言われている都市がたくさんあります。しかしどの都市も時代の流れとともにかなり改善されてきました。台北も例外ではありません。日本で活躍している香港出身の女性歌手がかつて、「東京は世界で一番渋滞がひどい」と言っていたのを聞いたことがあります。筆者はその時はもう台北(正確には台北県)に住んでいましたから、彼女の発言に疑問を持ちました。「一番は東京じゃないだろ」と。

台北で経験したことですが、朝のラッシュ時の路線バスは平気でコースを変えて空いている道に入っていくし、反対車線が空いていればスクーターがどんどん逆走するし、向こう側が渋滞で通り抜けられない交差点でも平気でどんどん入っていくし、ついでに言うと、排気ガスもひどくて、一往復の通勤だけで鼻の穴は真っ黒になりました。スクーターで15分くらいの職場まで、朝のラッシュ時にバスに乗った時は1時間半かかったこともあります。車やスクーターの無秩序な路上駐車や他人の玄関先への違法駐車も日常茶飯事でした。

1994年、台北市長に当選した陳水扁氏は、台北捷運(MRT)の建設や治水事業などを実施しましたが、特記すべきは路上駐車できる場所の区画整備、立体駐車場の建設、バス専用路線の設置、スクーターのL字左折(二段左折)、交通違反取り締まり強化などの交通環境の改善です。陳水扁元台北市長の交通インフラ大改革路線は次の市長馬英九氏に引き継がれ、大気汚染、交通渋滞、交通マナー問題、駐車問題、飲酒運転厳罰化など、これまで台北市民を悩ませ続けてきた大きな問題は改善に向けて大きな一歩を踏み出しました。

L字左折標識

 

これだけは気を付けたい、台湾の交通習慣

台湾はアメリカと同じ車両右側通行です。日本と逆ですね。ですから日本人観光客は、信号のない道を渡るとき左を確認しただけで渡ろうとする人がいます。私も何回か危ない目にあいました。

次に気を付けたいのはスクーターの数です。台湾のスクーター保有率は世界一と言われています。車と車の間からスクーターが飛び出してくることがよくあります。また、歩道を走ったり、一方通行を逆走したりするスクーターも散見します。

バスに乗るときは手をあげて運転手に合図をした方がいいでしょう。バス停で待っていても、時々停まってくれないことがあります。

車を運転する場合は、すき間をすいすい通り抜けるスクーターやウインカーを出さないで車線を変更する車、十分な車間距離をあけない車(煽り運転とは限りません。たぶん運転手の癖でしょう)、大型トラックやバスにくっついて無理な左折をする乗用車やスクーター(台湾在住の一部日本人の間ではこれを「コバンザメ左折」と呼んでいます)に気を付けてください。

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