2023-07-01 政治・国際

カナダ政府 中国主導のAIIBの取引停止 脱退の可能性も示唆AIIBカナダ人幹部「AIIBは中国共産党に支配され有害な文化を持っている」と批判

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注目ポイント

ピカード氏は今年3月に国際広報責任者に就任した。英国のフィナンシャル・タイムズ紙によると、ピカード氏は「中国共産党はAIIB内部の目に見えない政府のようなものだ。私はそれに参加したくない」、「私は利用される愚か者になりたくはないのだ」と述べた

AIIBは14日、ピカード氏の投稿に対し「事実無根で、失望している」、「当行はグローバル経済ガバナンスを構築する使命に誇りに思っており、有効な多国間メカニズムを擁している」と反論した。また在カナダ中国大使館も同日、ピカード氏の投稿は「センセーショナルな宣伝活動で、虚偽以外の何物でもない」と批判し、カナダ政府に向けて、世界が直面している真のリスクは「集団対立」と「新冷戦」であると警告した。

この一件により、中国とカナダの関係は再び緊迫している。カナダは、中国がカナダにおいて違法に「秘密警察署」を設置し、カナダ議員を脅迫するなどして、カナダの選挙に影響を与えようとしていると非難したが、中国政府はすべての疑惑を否定している。

カナダの国家警察に当たる王立カナダ騎馬警察は6月13日、カナダ保守党のマイケル・チョン議員と香港在住の親族を2021年に脅迫した容疑で、在トロント中国総領事館の趙偉外交官について捜査中であると発表した。趙偉外交官は5月9日にカナダ政府から「ペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)」に指定され、国外追放されたが、中国政府も報復措置として在中国カナダ外交官を国外追放した。

AIIBは中国が筆頭株主(議決権26.6%)で、加盟国92カ国・地域にはフランス、イタリア、英国など西側諸国も含まれており、AAA格付けを取得している。 AIIBに加盟していない米国は、当初からAIIBの透明性やガバナンス(統治・管理・運営)に対して疑念を呈している。


 

 

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