注目ポイント
台北在住の料理家でライターの遊佐水亜さんが、台湾を感じられる料理やおつまみのレシピと相性抜群のお酒を紹介する月イチ連載。第九回は、夏野菜の代表格・きゅうりをたっぷりいただける「野菜たっぷり涼麺」を紹介。蒸し暑い毎日が続くいま、しっかり食べて夏バテを解消しましょう!

今月のおいしい季節食材「きゅうり」
きゅうりは通年手に入る定番野菜のひとつですが、本来の旬は6〜8月といわれています。サラダや和えもの、麺のトッピングなどさまざまな料理に用いることができるうえ、みずみずしい食感とさっぱりとした味わいは夏バテしやすい今の季節にぴったりですね。
台湾ではきゅうりは「黃瓜(ホァングワー)」と呼ばれていて、日本と同様のタイプはもちろん、細くて小さい「小黃瓜/水果小黃瓜」やジャンボサイズの「大黃瓜」もよく見かけます。
薬膳の考え方では、きゅうりは身体にこもりやすい熱や湿気を取りのぞいてくれる食材とされています。また、利尿・解毒作用があり、むくみの解消にも効果的。ほかの夏野菜とともにたくさん食べて、暑い時期を乗りきっていきましょう。

今月のおつまみ「野菜たっぷり涼麺(台湾風冷やしまぜそば)」
今月は夏に食べたくなる「野菜たっぷり涼麺(台湾風冷やしまぜそば)」のレシピをご紹介します。
「涼麺(リャンミェン)」は、茹でた麺に少量の野菜をのせて、ごまやピーナツをベースにした甘辛いタレをかけた、いわば台湾式の冷やし中華のような料理です。
今回はきゅうり、にんじんに加えて薄焼き卵と鶏もも肉もトッピング。栄養バランスのよいボリューミーな一品に仕上げてみました。
材料とつくり方
【材料(つくりやすい分量)】
きゅうり 1/2本
にんじん 40g
卵1個
油麺(または中華麺)200g
ごま油 適量
辣油 適量
[ゆで鶏]
鶏もも肉 400g
水 1L
紹興酒 200ml
醤油 100ml
[ごまだれ]
練りごま 大さじ3
醤油 大さじ1
酢 大さじ1
ゆで鶏のスープ 大さじ2
砂糖 小さじ1/2
おろしにんにく 少々
おろししょうが 少々

【つくり方】
- ゆで鶏をつくる。鶏もも肉の余分な脂や皮をカットしてさっと洗い、キッチンペーパーで水気をとる。鍋に水、紹興酒、醤油を加えて火にかけ、ふつふつとしてきたら中弱火にして鶏もも肉を入れる。フタをして5分したら火を止めて、そのまま予熱で火を通す。
- 薄焼き卵をつくる。ごま油をフライパンに熱して、溶き卵を全体に広げる。表面が乾いてきたら箸で裏返し、もう片面も焼く。まな板に取り出して細切りにする。
- 鍋にお湯をわかして中華麺をさっとゆでる。ざるにあげて冷水でしっかり洗い、水切りをしてから、少量のごま油をからめてくっつかないようにする。
- 鶏もも肉は食べやすくスライスして、きゅうりとにんじんは細切りにカットする。
- ごまだれをつくる。小さめのボウルにすべての材料を入れて、よく混ぜ合わせる。
- 器にゆでた麺、鶏もも肉、薄焼き卵、きゅうり、にんじんをのせて、ごまだれと辣油をかけたらできあがり。

おつまみに合うお酒&ひとことメモ
濃いめのごまだれで味わう具だくさんの麺には、しっかり冷やしたビールをお供にしたいもの。手に入るならぜひ台湾ビールをどうぞ。我が家では、台湾料理に「18天ビール(台湾ビールのなかでも加熱処理をしておらず、賞味期限が短い)」を合わせるのが定番です。
ゆで鶏はまとめてたくさん仕込んでおくと、ほかの料理にもアレンジできるので便利です。また、ごまだれが余ったら、サラダのドレッシングや和えもののベースに活用してみてくださいね。
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