2023-06-28 経済

ASUS、パソコン・モバイル事業不振で2期連続赤字、4部門の再編・統合を発表

© 華碩提供

注目ポイント

世界経済の不透明感が強まる中、ASUSもグループ全体の減収に直面し、組織再編と人員整理の波が押し寄せている。


パソコンや携帯電話がボトルネックとなり、新たにヘルスケア産業に参入へ

また、調査会社トレンドフォースのレポートによると、パソコンやノートPC市場では、新型コロナ以降初めてとなる3年に1度の買い替えシーズンに合わせて、3月から相手先ブランド供給(ODM)工場が家庭用とビジネス向けモデルの量産と出荷を始めたという。

パソコンなどの民生機器は、依然として低迷している。トレンドフォースによると、2大ODM(相手先ブランド製造)メーカーであるQuantaとCompalが4月に発表した出荷台数はそれぞれ330万台と240万台にとどまり、中国が都市封鎖を行ってサプライチェーンを断ち切り、完成品の物流を遮断した昨年(2022年)同期に達成した320万台と220万台をさらに下回った。

これに対し、現在の状況は末端の消費者市場の需要が低迷していることを示しており、経済の不透明な見通しと相まって、業界は新製品発売の販売予測を控えめに見ている。

最後に、ASUSはパソコンや携帯電話などの需要がボトルネックに陥る中、異分野の市場を積極的に開拓している。例えば、高齢化社会の到来に伴い、ASUSは健康・長寿イノベーションプラットフォーム「iHARP」を積極的に展開しており、病院、個人、地域コミュニティの健康に関するデータを統合し、プレシジョンヘルスを実現することで「新しい予防医学」モデルを確立する。

そして、将来的には個人の食習慣や基礎データを利用して、健康に関する情報やライフスタイル、個人に合わせた食事アドバイスなどを提案する。また、老舗食品ブランド桂冠実業(Laurel Industries)と共同で、高齢者の健康的な食事管理とフォローアップを支援する食事管理ソリューションを提供し、iHARPシステムをさらに発展させる。

ASUSは、プレシジョンヘルス、遠隔医療、高齢者生活ニーズの統合を重視し、全年齢の健康を核心とし、健康管理、予防、診断、治療、介護をカバーするスマートヘルスシステムを構築し、プレシジョンヘルスの世界的リーダーを目指していくと強調した。


 

 

あわせて読みたい