2023-06-28 経済

ASUS、パソコン・モバイル事業不振で2期連続赤字、4部門の再編・統合を発表

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注目ポイント

世界経済の不透明感が強まる中、ASUSもグループ全体の減収に直面し、組織再編と人員整理の波が押し寄せている。

一方、ASUSは最近、大量の人員削減などは事実無根であることを重ねて表明するとともに、デマの広がりが社会的リソースの無駄遣いにつながっているとする重要メッセージを公表した。大企業は今、過剰在庫を抱えて利益が減少し、経営が厳しくなっている。2四半期連続の赤字となったASUSもグループの勢いを強化するため組織を再編し、ゲーミングBU(事業単位)をコンシューマー製品BU、商用製品BU、モバイルデバイスBUの3つの事業単位に統合すると発表した。


ASUS、経営の逆風を受け、組織改編を進める

コロナ禍の中、巣ごもり消費の恩恵を受け、パソコンやスマートフォンなど家電製品の需要は急増した。だが、コロナ禍が終息に向かうと、世界はインフレの危機を認識し始め、米国を筆頭とする多くの国の中央銀行は利上げサイクルを誘導し、経済に打撃を与えることをいとわず、インフレという名のモンスターを退治しようとしている。

今年に入り、世界は経済の減速に苦しんでいる。消費型電子機器の需要が急速に落ち込み、人々は財布の紐を固く締めるようになった。ASUSも今回の需要低迷の影響を受け、2四半期連続で赤字に転落している。


 

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2023年第1四半期の損益計算書

 

ASUSは15日、社内向けにメッセージを発表し、ゲーミングPCを含む従来のシステム事業グループをコンシューマー製品、商用製品、モバイルデバイスの3つの主要製品ビジネスユニットに統合すると明らかにした。これは2017年の組織再編以降、初めての内部組織の大きな変更である。

ASUSによると、再編後は2つの事業部門の責任者が速やかに事業計画を策定し、適切な組織調整と資源配分を行うと表明した。過剰在庫については、引き続き市場を上回る出荷台数の伸び率を維持し、経済規模の拡大が業績向上に寄与するとしている。

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収益ポートフォリオ

 

先日、ASUS系列子会社のAskey Computer(亜旭電脳)は、累積損失額が資本金の2分の1に達し、新台湾ドルで45億4500万元にのぼると公表した。主な損失の原因は、トランスフォーメーション投資によるモノのインターネット(IoT)、自動車ネットワーク、5Gなどの開発費用の増加である。

グループの収益が減少する中、人員整理と合理化の流れが強まっている。これを受け、ASUSは重要なメッセージを発表し、SNSで流れた大規模なレイオフの噂は事実ではないことを改めて表明するとともに、これらのデマが社会資源の浪費につながったことを遺憾とした。

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