注目ポイント
山東省の淄博(しはく)市がバーベキューで有名になり、人気観光スポットとなったが、観光客誘致を最優先する当局のために地元住民は負担を強いられているという。
北米の中国語新聞『世界日報』のウェブニュースによると、「淄博バーベキュー」成功のカギは、政府と地元住民が観光客ファーストに徹していること、治安が良いこと、価格が手頃であることの3つだという。観光ブームが小さな地方都市に奇跡を起こし、インターネットで拡散されて文化現象となり、やがて人と金が集まる経済現象に発展した。
評論家:淄博市の短期的なブームは短期的な繁栄しかもたらさない
地元政府の強力な後押しもあって、淄博市はゼロコロナ政策緩和後1年目となる今年、中国で最も注目される観光スポットのひとつとなっているが、ブーム維持に躍起となる地元政府が飲食・観光業者や住民にプレッシャーを与えていると『ニューヨーク・タイムズ』紙は報じた。入店待ちの行列に怒った客に対し、土下座して謝る店主の様子を撮影した動画がインターネットに投稿されて拡散したこともあり、度が過ぎた「観光客ファースト」を地元の人に強いる当局に批判の声も上がっている。
経済評論家の蔡申昆氏は「淄博バーベキューはメーデー連休中大盛況となった。しかしこのようないわゆる“ホリデー・エコノミクス”よってもたらされる賑わいは一時的なものに過ぎず、繁忙期の後には長い閑散期がやってくる。年に数回の連休の様子だけで、中国経済を楽観的に判断するのは自己欺瞞に他ならない」と批評した。