2023-06-22 流台湾

端午の節句の風物詩―種類が豊富な中華ちまき―

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注目ポイント

旧暦の5月5日と言えば台湾三大節句の一つ「端午節」です。今年は今日(6月22日木曜日)が端午節に当たります。各地の川でドラゴンボートレースが催され、町ではあちこちの店で種類豊富な中華ちまきが売られます。♪兄さんが背の丈を測ってくれるときに食べる日本のちまきとはずいぶん形も味も違います。今回は中華ちまきのあれこれを紹介しましょう。

ちまきとライチと涼麺は台湾の夏の風物詩

端午の節句は、春節、中秋節と並んで三大節句のひとつで、日本では新暦の5月5日、中華圏では旧暦の5月5日(今年は6月22日)が端午節に当たります。5月下旬から6月にかけて果物屋さんにはライチが並び始め、街では多くの人が涼麺の店に並び始めます。巷の言い伝えによると、端午節前に冬物を片付けてはいけないそうです。そして端午節が近づくとちまきが飛ぶように売れます。数十年くらい前まではおばあちゃんを中心に各家庭でちまきを作って、親戚・友人・知人・同僚、先生など、お世話になった人にお裾分けしていました。でも最近おいしいちまきを売っている店が増えたので、手っ取り早く店で買ってお裾分けする人が増えています。たまに、家族のイベントとしておばあちゃんから孫娘まで一家総出でちまきを包む家庭もあるようです。

 

北部のちまきと南部のちまき

ちまきと一言で言ってもその種類は驚くほど豊富です。まず、北部と南部のちまきは根本的に作り方が違います。北部ではしょうゆベースに味付けして蒸したもち米に具を入れて笹でくるんでさらに蒸して作ります。南部では生のもちごめに調味料と具を加えて笹でくるみ、蒸したりお湯で茹でたりして作ります。北部のちまきは二回蒸すので比較的しっかりした歯ごたえがあります。南部のちまきは生米から蒸すので具材の味がしっとりと米に染み込んで深い味わいが楽しめます。

中に入れる具は、店や家庭によって様々ですが、基本的に入っているのは、クリ、卵黄、椎茸、豚肉です。インターネットや雑誌などで、ちまきの具として必須アイテムは何か、とか、こんな具はあり?なし?などという特集を見ることがあります。ちなみに定番アイテムは落花生、卵黄、しいたけ、豚肉で、豪華バージョンとしてほたて、アワビ、イカなどがあります。反対に好みが分かれるのが、タロイモ、くり、沢庵に似た漬物、牡蠣の燻製、干しエビなどです。あなたはお勧めの具がありますか?

ちまき作り

 

色々なちまき

湖洲ちまきは細長い形をしており、形だけ見ると日本のちまきにちょっと似ています。具はとてもシンプルで、脂身のある豚肉(角煮のようなもの)かあんこが入っています。

湖洲ちまき
肉入り湖洲ちまき
餡入り湖洲ちまき

客家ちまきは、もち米を挽いて米漿状にしたものに水や油や具を加えて笹で包んだちまきで、とても弾力のある歯ごたえが楽しめます。

落花生ちまきは、生のもち米と落花生を水に浸して柔らかくした後で蒸します。落花生の香りがとても芳醇に感じられます。

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広東ちまきは他にちまきに比べて大きく、豚肉、鶏肉、鴨肉、小柱など高級食材をふんだんに使い、蓮の葉で包んだちまきです。これ一つでお腹いっぱいになります。

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