2023-06-22 政治・国際

【図表】1月に発表された「2023年世界軍事力ランキング」

注目ポイント

米軍事力評価機関のグローバル・ファイヤーパワーが発表した2023年版の世界の軍事力ランキングによると、世界で最も軍事力が高い国は米国で、ロシアと中国が続いている。台湾は23位で、同機関は、中国が台湾に対して軍事行動を起こした場合、米国の対応が台湾の国家安全保障に大きな影響を与えると指摘した。(本記事は2023年6月5日公開のThe News Lens中文版「【圖表】2023全球軍力排行出爐,美俄中佔前三名,台灣居第23位高於德國」の翻訳記事)

米国の軍事力評価機関、「グローバル・ファイヤーパワー(Global Firepower)」が2023年の世界の軍事力ランキングを発表し、米国、ロシア、中国がトップ3となった。台湾は23位で、25位のドイツを上回った。

1月に発表された「2023年世界軍事力ランキング」は、世界145カ国について、各国の軍備や兵力、財政状況、地理的条件など多岐にわたる要素から軍事力指数(パワーインデックス)のスコアを算出してランク付けしたものだ。スコアが0に近いほど軍事力が高いことを示す。

2023年4月時点で、145カ国の中で軍事力指数が0.1を下回っているのは1位の米国、2位のロシア、3位の中国のみ。4位から10位は順にインド、イギリス、韓国、パキスタン、日本、フランス、イタリアだった。台湾は軍事力指数0.3639で23位、欧米諸国から軍事援助を受けたウクライナは15位に浮上した。

グローバル・ファイヤーパワーが評価したさまざまな軍事指標の内、台湾の評価は優良22、良好10、平均4、普通8、不良8 となっている。中でも台湾の予備役兵力は世界最大で約150万人、これは台湾総人口の6.4%に相当する。空軍の戦力も高く、現在保有している軍用機737機の内、戦闘機は285機、攻撃ヘリコプターは91機でどちらも世界トップ8に入っている。


米国政府は台湾への武器売却を継続、台湾への援助を拡大する国防権限法が上院通過

グローバル・ファイヤーパワーは、中国が台湾に対して軍事行動を起こした場合、米国の対応が台湾の国家安全保障に大きな影響を与えると指摘した。2021年1月のバイデン政権発足以来、米国が公表した台湾への武器売却は9件。今年3月にも米国国防安全保障協力局(DSCA)がF-16V戦闘機2機、AGM-88B対レーダーミサイル100基、AIM-120C空対空ミサイル200基及び関連装備を台湾に売却したと発表した。

武器売却に加え、米国は2022年末に台湾への軍事支援拡大を認める「2023会計年度国防権限法(NDAA)」にバイデン大統領が署名し、正式に発効している。

法案は「台湾政策法」の一部を含み、2023~27会計年度に米国政府が台湾へ毎年最大20億ドル(約2800億円)、5年間で最大100億ドル(約1兆4000億円)の無償軍事援助を提供する。さらに2023 年から 2027 年まで年間最大20億ドルの対外軍事融資 (FMF)を提供し、返済期限は 12 年と定めた。

国防権限法はまた、米国大統領が「緊急時大統領在庫引き出し権限(PDA)」を利用して、国防在庫から最大10億ドル(約1400億円)の「米国政府の軍事力の整備目標を超えて余剰となった防衛装備品を売却する制度(EDA)」を引き出す権限を与えている。これらは台湾の需要に合わせて軍事支援を行うもので、台湾の軍事力の総体的な強化を助けると見られている。


 

 

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