注目ポイント
「#MeToo」が台湾の芸能界でも広がり、人気タレントや俳優が相次いで謝罪する事態となっている。投稿が拡散され、被害者も名乗り出た。人気司会者のミッキー・ホアン(黄子佼)さんは動画を公開し、自身が加害者であることを認め謝罪した。事態を受け、司法院は一切の提携を停止すると発表。また俳優のヨウション(宥勝)さんも被害を告白し謝罪した。

(台北中央社)セクハラや性暴力を告発する「#MeToo」が台湾の芸能界でも広がりを見せている。人気タレントや俳優が相次いで謝罪する事態となっており、関係者は対応に追われている。
10年以上前にある芸能人から被害を受けたとする文章が19日、女性インフルエンサーによってSNS(交流サイト)に書き込まれた。投稿は拡散され、他の被害者も名乗り出た。人気司会者のミッキー・ホアン(黄子佼)さんが同日、動画を公開し、女性が指す加害者は自身だと認め謝罪した。
事態を受け、ミッキーさんと契約を交わしていた司法院は同日、一切の提携を停止すると発表。裁判の量刑判断などに市民が参加する新制度「国民裁判官」のPRにミッキーさんを起用していた。
ミッキーさんはこの日午後に予定されていたスケジュールをキャンセル。昼過ぎ、ミッキーさんと思われる男性が自殺を図ったとして病院に搬送された。命に別条はないという。

人気俳優ヨウション(宥勝)さんからの被害を告白する内容もインターネットに複数出回った。ヨウションさんは18日、「自身のかつての行為によって傷つけられた人に申し訳ない」などとSNSで謝罪した。

また今月15日には、俳優のシュー・ジエホイ(許傑輝)さんが芸能界引退を発表。女性俳優らが被害を訴えていた。出演する人気ドラマの続編が撮影中だったが、テレビ局は同日、撮影を見合わせ、キャストを変更してから再開する方針を示した。
台湾では今春、政界のセクハラや性被害などに切り込んだ政治ドラマ「WAVE MAKERS ~選挙の人々~」(人選之人—造浪者)が話題を呼んだ。5月末には与党・民進党の元職員が党内での被害をドラマ内のセリフを引用して告発。これを皮切りに声を上げる被害者が続き、各界で著名人からの被害を告白する動きが広がっている。
(葉冠吟、黄麗芸、王心妤、林長順/編集:楊千慧)