2023-06-22 台湾

台湾最後の映画看板絵師、日本時代の旧宿舎群に名作の看板描く=台南・水交社園区

注目ポイント

台湾の南部、台南市の文化施設、水交社文化園区で、旧日本海軍航空隊の宿舎群を再利用したプロジェクトが進行している。20日、台湾最後の映画看板絵師である顔振発さんが手掛けた空軍映画の手描き看板がお目見えした。同所の新旧の記憶を繋ぎ、空軍の精神を伝承したいとしている。

台湾最後の映画看板絵師、日本時代の旧宿舎群に名作の看板描く=台南・水交社園区(台南市文化局提供)

(台南中央社)旧日本海軍航空隊の宿舎群を再利用した南部・台南市の文化施設、水交社文化園区に20日、「台湾最後の映画看板絵師」と呼ばれる顔振発さんが手掛けた名作空軍映画の手描き看板がお目見えした。市文化局は、同所の新旧の記憶をつなぎ合わせ、空軍の精神を伝承していきたいとしている。

水交社は日本統治時代の1941年に台南海軍航空隊が設立された後に建てられた関連の宿舎群。戦後は中華民国空軍に接収され、中国大陸から台湾に移り住んだ軍人やその家族が暮らす「眷村」が形成された。56年には曲芸飛行隊「サンダータイガース」(雷虎小組)のパイロットやその家族が住むようになり、50人を超える将軍を輩出した。そのため、「サンダータイガースの故郷」とも呼ばれている。

今回、顔さんが描いたのは、抗日戦争を題材にした「筧橋英烈伝」(1977年)と「八百壮士」(1976年)の2作品の映画看板。絵は同園区の屋外エリアで現地制作された。

市文化局は「台南の空軍の歴史と水交社の眷村の記憶を知ってもらえれば」と来園を呼びかけた。

(楊思瑞/編集:名切千絵)

 

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