2023-06-22 流台湾

観光にもおすすめ 台湾高級ウイスキーメーカーが手がける蘭園

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注目ポイント

胡蝶蘭王国とも呼ばれる台湾。胡蝶蘭の年間生産額は約80億元で、約9割は日本、アメリカ、ヨーロッパなど海外へ輸出されている。世界的に知られる台湾の高級ウイスキー「カバラン」を製造する金車グループも蘭の栽培事業を行っており、台湾北東部・宜蘭県では観光施設を備えた蘭園を運営している。

「金車」といえば、台湾在住の日本人であれば必ず一回は聞いたことのある、または街中で見たことのある中国語の一つだろう。日本でも有名なシングルモルトウイスキー「カバラン」や、台湾のコンビニに必ず置いてあるおじさんのキャラクターでお馴染みの缶コーヒー「ミスターブラウンコーヒー」を製造している台湾の食品飲料メーカーで、飲料や食品だけでなく、様々な事業に着手している。

中でも「金車生物科技」はバイオテクノロジーに特化したグループ企業で、蘭の栽培や魚介類の養殖事業をメインにしている。今回はその金車生物科技が運営する「金車蘭花園」を紹介したい。

 

胡蝶蘭栽培に適した宜蘭県で開業

金車蘭花園は1988年に宜蘭県で開業した、台湾北部最大の蘭園だ。礁溪にあるため「金車礁溪蘭花園」と呼ばれることもあり、8,540坪の広大な敷地で年間約130万株の胡蝶蘭を栽培している。また、日本や国内市場向けに新品種の開発や改良、無ウイルス株の開発、細胞培養なども行う最新技術に特化した蘭園でもある。

そもそも台湾は全土を通して胡蝶蘭の栽培に適しているが、宜蘭県は特に優れた土地で、金車蘭花園も日本の蘭園のようなビニールハウスではなく、大型の科学研究所のような見た目をしている。

金車蘭花園では胡蝶蘭以外にも様々な蘭を栽培していて、「パフィオペディラム」「カトレア」「バンダ」「オンシジューム」「デンファレラン」「バルボフィラム」の6種類に大別できる。

カトレアやオンシジュームは日本でも葬式の籠花(祭壇脇に供える白菊のみで作るもの)によく入っているし、ハワイアンや中華料理ではデンファレランが食事と一緒に飾られていることが多い。また、バンダやパフィオペディラムのような特殊な形の蘭は、高級花屋やヨーロピアンテイストのアレンジメントにもよく使用されている。皆さんが普段見ている蘭も、もしかしたら台湾から出荷された蘭かもしれない。

金車蘭花園は観光施設も備えていて、入場料200元(身長100cm以下は100元)を支払えば誰でも入場できる。園内には蘭の栽培エリアのほか、カピパラやミーアキャット、魚の餌やり体験や、サボテン、水生植物エリア、レストランやカフェもあり、金車グループのウイスキーやコーヒーも販売している。カップルや家族連れでも楽しめる施設なので、興味があればぜひ行ってみてほしい。

 

 

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