注目ポイント
莫言は、初めてAI(人工知能)を使って文章を書いたと公に認めたノーベル賞作家となった。 彼は、友人の作家・余華氏に贈る祝辞を何日も書けなかったので、大学院生のサポートでChatGPTを使ったと冗談混じりに語った。 ChatGPTに「活きる」「抜歯」「文城」などのキーワードを入力すると、瞬く間に1千字余りのシェイクスピア風の祝辞が作成されたという。
「China Daily」など中国国営メディアは、ChatGPTはイデオロギー的に偏っており、欧米諸国の政治プロパガンダの発信に利用され、国民をミスリードする可能性があると警告する。 例えば、新疆ウイグル自治区の再教育キャンプに関する調査では、中国メディアはChatGPTが出した回答が米国の主張とそっくり同じであると報じた。
一方、中国の検索大手百度(バイドゥ)が開発するAIチャットボット「文心一言(ERNIE Bot)」は、今年3月に公開されると「技術的に未熟」「敏感詞(当局が指定した検閲対象語)に引っ掛かる」などと酷評され、公開後は百度の香港市場の株価が急落し、一時は10%も割り込んだ。

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