2023-06-16 政治・国際

サウスチャイナ・モーニング・ポスト「中国、オーストラリアに自国のCPTPP加盟は支持、台湾の加盟は拒否するよう圧力をかける」

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注目ポイント

中国と台湾は、それぞれ2021年9月に環太平洋パートナーシップ協定(CPTPP)への加盟を申請したが、今年3月末にその前に申請した英国の加盟が正式に承認されたため、今後は中国と台湾の申請について検討することになった。 しかし、香港メディアの報道によると、中国はオーストラリア政府に圧力をかけており、中国のCPTPP加盟を支持し、台湾の加盟を拒否することを期待しているという。


識者が指摘「地政学的な配慮から、中国がすぐにCPTPPに加盟することは難しい」

香港ハインリッヒ財団のスティーブン・オルソン上席研究員は、中国のCPTPP加盟は「地政学的に重い負担を伴う」とし、「全加盟国は、中国がアジア太平洋地域において経済の中心的な存在であると認識しているが、中国の態度が強硬になってきていると懸念する声も多い」と指摘する。

オルソン氏は、CPTPP加盟国は、中国がWTOの義務をどの程度遵守しているか疑問視しており、経済・貿易の枠組みの高い基準を十分にクリアすることができるのかと懸念していると述べ、「中国の申請に対して、近い将来に明確な回答を出すとは考えにくい」と見る。

一方、台湾がオーストラリアからの支持を得られるのかどうかも不透明だ。 昨年11月のAPECの記者会見で、オーストラリアのアルバニージー首相は、「オーストラリアが台湾のCPTPP加盟を支持する可能性は低い」と発言し、CPTPPは「承認」された国家間の協定であり、台湾はエコノミーだからだと説明した。(台湾は2021年9月22日に「台湾・澎湖・金門・馬祖独立関税地域」としてCPTPPへの加盟を申請している)。

台湾外交部はその後、豪政府が「台湾のCPTPP加盟に関するオーストラリアの立場は変わらない。台湾を含むCPTPPの高い基準を満たす全てのエコノミーの加盟を歓迎する」と明言したと発表したが、アルバニージー首相の発言が一抹の不安材料となっている。


 

 

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