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ウクライナのゼレンスキー大統領は10日、「ウクライナで反攻と防御の軍事行動が取られている」と述べ、ロシアに対する一連の大規模な反転攻勢を開始したことを初めて認めた。11日には、ロシア軍に占領されたウクライナ南東部の集落を解放したとウクライナ軍当局が発表。反攻開始から初の奪還とみられ、戦況が新たな局面を迎えていることを示した。
軍用車両の専門家2人がAP通信に語ったところによると、最前に動員された戦車乗組員は通常、草木や建物の陰に身を隠し、移動して射撃するときだけ出てくる。戦車が屋外に駐機されるのは極めて異例であり、敵の砲手にとって格好の標的となるという。同専門家は、ロシアの攻撃ヘリのミサイルが撃破した車両は、レオパルトでも他の戦車でもなかったと断言した。
そんな中、英国防省は10日、ウクライナ軍が過去48時間に、同国の東部と南部で大規模な反攻作戦を実施したとの分析を公表し、「いくつかの地域では前進し、ロシアの第1防衛線を突破した可能性が高い」としていた。
それを裏付けるようにウクライナ軍は11日、大規模な反転攻勢により、ウクライナ東部ドネツク州南部にあるブラホダトネ村を解放したと発表。ロイター通信などによると、ウクライナ軍は破壊された建物にウクライナ国旗を掲げる兵士を映したビデオを公開した。
対するプーチン氏は、敵に大きな損害を与えて撃退したと述べ、今後の作戦遂行に強い自信を示した。国内への無人機攻撃増加などで広がる国民の不安を払拭するとともに、ウクライナに戦車などを供与し続ける欧米に対し、軍事支援の継続断念を迫る狙いがあるとみられる。
プーチン氏はまた、旧ソ連諸国の首相らの会議が開かれたロシア南部ソチで記者団の取材に応じ、「昨日、一昨日は特に集中的な攻撃があった」と指摘。ウクライナ軍は温存していた戦略的な予備部隊を投入したが、ロシア側の3倍を大きく上回る損害を出して敗退したと強調した。
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