2023-06-10 政治・国際

総統選/柯前台北市長、東京で会見 与党と最大野党を批判 中国との対話に意欲/台湾

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第2野党・民衆党主席(党首)で来年1月の総統選に出馬予定の柯文哲前台北市長は日本訪問最終日の8日、東京都内の日本外国特派員協会で会見した。

柯前台北市長、東京で会見 与党と最大野党を批判 中国との対話に意欲 台湾

(東京中央社)第2野党・民衆党主席(党首)で来年1月の総統選に出馬予定の柯文哲(かぶんてつ)前台北市長は日本訪問最終日の8日、東京都内の日本外国特派員協会で会見した。柯氏は、与党・民進党と最大野党・国民党は両岸(台湾と中国)の難局を解決できないと批判した上で連立政権の樹立を主張し、中国との対話に意欲を示した。

柯氏は、台湾海峡両岸の平和を確保するため、台湾は米中の意思疎通の架け橋になるべきで、米中対立の駒ではないと強調。台湾には実務的、理性的、科学的な政府が必要であり、政策推進時には民意に耳を傾け、専門家の意見を尊重するべきだなどと語った。

また民進党と国民党は党益を追求して憎悪をあおり、政治の2極化を招いたと指摘。民衆党の台頭は、第3勢力が政治のバランスを取ることを台湾人が望んだからだとの見方を示した。

民進党は中国政府との信頼関係を失い、国民党は従順すぎていると苦言を呈し、連立政権を樹立して団結すべきだと持論を展開。各政党を和解させ、台湾に暮らす2300万人の共通認識を形成させてこそ、中国と有意義な対話ができ、両岸の平和が実現すると述べた。

また中国とは、自主国防により抑止力を保つとしながらも、台北市長時代に上海市とのフォーラムを8回実施したことに触れ、意思疎通を重ねるうちに、双方で信頼関係が築かれたと語り、対話の必要性を訴えた。

その上で互いを知り、理解し、尊重し、協力し、許し合うことが重要だと主張。対話を促進し、衝突のリスクを減らし、台湾海峡の平和をつくるとした。

日本とは、協力してより強靭(きょうじん)なサプライチェーン(供給網)を構築し、世界の科学技術と経済発展のために貢献したいと期待を寄せた。

(楊明珠/編集:齊藤啓介)

 

 

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