注目ポイント
柯文哲氏は、2020年1月に亡くなった台湾の李登輝元総統との親交について、訪日中の記者会見で語った。柯氏は、李氏とは亡くなる直前の数年間、頻繁に会っており、最後に会ったのは2019年の旧正月明けだったと明かした。また、柯氏は李氏から日本に関する多くの理論を学んだとし、その理論を自身の頭に入れていると語った。一方で、中国が李氏を「台湾独立の父」と見なしていることから、柯氏の李氏への敬意表明が中国との関係に影響を与えるかという質問には、「人同士の交流はわれわれのことであり、中国が嫌がるからと言って李登輝氏との関係を話せないということはありえない」と回答した。

(東京中央社)来年1月の総統選に第2野党、民衆党公認候補として出馬する柯文哲(かぶんてつ)前台北市長は訪日4日目の7日、東京・港区の台北駐日経済文化代表処を訪れ、謝長廷(しゃちょうてい)駐日代表(大使に相当)と面会した。報道陣の取材に対し、2020年に逝去した李登輝(りとうき)元総統との親交について語った。
柯氏は今回の訪台で、立憲民主党の野田佳彦元首相や自民党の麻生太郎副総裁とそれぞれ会談した際や講演会で、いずれも李氏について言及した。そのため報道陣から、李氏との親交に関する質問が飛んだ。
柯氏は、李氏が亡くなる直前の数年はよく会いに行っていたと言い、最後に会ったのは2019年の旧正月明けだったと説明。李氏からは日本に関して多くの理論を語られたことがあり、これらの理論は自身の頭に入れていると語った。スケジュールが詰まっているため、今回の訪日で日本李登輝友の会のメンバーと会う予定はないと明らかにした。
李氏が中国から「台湾独立の父」と見なされていることから、今回の訪日で李氏への敬意を度々表明したことで中国からの信頼度に影響は出ないのかとの質問に対しては「中国が嫌がるからと言って何かをしないということはできない。人同士の交流、私と李登輝氏との交流はわれわれのことであり、中国が嫌がるからと言って李登輝氏との関係を話せないということはありえない」と述べた。
謝氏は総統選における柯氏の情勢について聞かれると、最近の世論調査で柯氏の支持率が2位に浮上していることに触れ、「これは容易なことではない」と評価した。また、「かつては柯文哲氏からたくさん質問された。今は教えられることはもう何もないと思う」と語った。
(楊明珠/編集:名切千絵)