2023-06-10 流台湾

台北行き機内で日本人客が大騒ぎ 台湾における日本人の態度の実際は?

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

6月4日、福岡発台北行きのチャイナエアラインの機内で、日本人の女性客が、客室乗務員が日本語を使わなかったことなどに腹を立てて大声で騒ぎ、空港警察に引き渡されるトラブルがあった。台湾では日本語が通じる飲食店やホテルが多いが、日本語が通じないことに腹を立てる日本人によるトラブルも少なくない。台湾で注目を集めた今回の事件から、台湾での日本人の態度や、台湾人の間での「日本人像」の実際を紹介する。

先日、台湾のニュースで驚くべき情報が飛び込んできた。それは、日本国籍の女性が中華航空に搭乗したところ、客室乗務員が日本語を使わないことに対し腹を立て、大声で騒ぎ立てたため搭乗拒否をされ、空港の警察官に身柄を引き渡されたとのことだ。これにより、福岡空港からの出発便に40分以上の遅延が発生した。ネット上では多くの日本人が同じ日本人として恥ずかしいという気持ちとともに、台湾人に謝罪するコメントも見受けられた。

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だが、実は台湾国内でも同じような光景を何度か目にしたことがある。また、私の経営する花屋でも同じような日本人に遭遇したこともある。今回は台湾在住の日本人として、台湾での日本人の態度についてご紹介していく。

 

台湾は日本語を話せる人が多くいる事実

台湾で生活していると、やはり言葉の問題に困る状況は多々ある。私の場合も、今でこそ中国語での生活にはほとんど問題ないのだが、来台した当初はろくに会話もできず、会社を作ったり口座を開設するといった比較的難しい中国語が必要な際は大変苦労した。だが、一般の日本人観光客や短期駐在員にとっては、中国語を使う機会は主に飲食をしたりどこかに遊びに行った時などになるため、それほど言語の問題で困ることはないだろう。

というのも、台湾では日本語を話せる台湾人が他国と比較し圧倒的に多いからだ。特に台北などの都市部では、飲食店には日本語のメニューがあったり、「日本語OK」のステッカーが入口に貼ってあり日本語が話せる店員がいるなど、多くの店ではレベル差はあるものの大体の日本語に対応している。また、日本人経営の店も数多くあるため、ローカルな場所を選ばなければ日本語のみで生活していくこともできなくはないという状況だ。

 

日本語が通じないことに腹を立てる日本人

台湾がこういった環境というのもあり、台湾に在住している日本人でも中国語が話せない人は多い。それでも生活ができてしまうのが台湾なのだ。そのため、日系の店や高級店ではどこでも日本語が通じると思ってしまう人も少なからずいる。今回の中華航空の日本人も、もしかすると高いチケットを購入しているのだから日本語が通じて当たり前と思ったのかもしれない。

私自身も前職の際に出張で台湾に何度も来たことがあるが、同じ宿泊先のホテルのカウンターで日本語で文句を言っている日本人に遭遇したことがある。台北では中級のビジネスホテル(台湾では高級な部類)として人気のチェーン店で、基本的に日本語は通じないが英語が通じることと、高級ホテルのような清潔な部屋が完備され、日本の一般的なビジネスホテルの金額で宿泊できることから、たびたび利用していたホテルだ。だが、カウンターで見かけた日本人は、おそらく部屋に何らかの問題があったようなのだが、中国語、英語どちらもできないため、日本語対応できるスタッフがいないことに対し大変怒っていた。

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