2023-06-04 政治・国際

中国人の国家賠償、法改正後は「境外人」として請求可能に=行政院/台湾

中国人の国家賠償、法改正後は「境外人」として請求可能に=行政院 台湾

(台北中央社)行政院(内閣)の林子倫(りんしりん)報道官は1日、国家賠償法の改正後、中国人は台湾域外の「境外人」として国家賠償の請求が可能になるとの見方を示した。

中国人の国家賠償請求を巡っては、南部・高雄市で2018年、中国人男性が漏電した街灯に触れて死亡する事故が発生。遺族が起こした訴訟では国家賠償が中国人にも適用されるかが争点となったが、「中国大陸人民も中華民国人民である」とする1993年の法務部(法務省)の解釈通達を根拠に賠償を認める判決が今年2月に下された。

行政院は今年5月末、「中国大陸人民も中華民国人民である」とする解釈の適用を停止すると各部会(省庁)に通達。今後も適用しないよう求めた。

林報道官は1日の記者会見で、30年前の解釈通達は時代に合致していないと指摘。両岸(台湾と中国)の人民の権利や義務、関係がより法律や現況に合うよう、対中政策を担う大陸委員会が関連の内容を見直すと説明した。

その上で、人権の保障に国境はないという原則に基づき、改正案が成立すれば、域外の人も国家賠償の請求ができるようになるとした。

現行の国家賠償法では「外国人」については定めているが、「台湾地区・大陸地区人民関係条例」では「台湾地区」と「大陸地区」に分けており、「大陸地区人民」は外国人に含まれないとされる。

(陳俊華/編集:楊千慧)

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