注目ポイント
イスラエルで最近、武力衝突が激化し、国連平和維持活動(PKO)要員の任務はより危険で困難になっている。
swissinfo.chは、UNTSO首席連絡将校のアレックス・ノイコム中佐に同行し、ヨルダンの首都アンマンとイスラエルのテルアビブを訪れた。同氏の任務は、ヨルダンとイスラエルの外相や防衛相、外交官、駐在武官、シンクタンク、学者に会い、両国の状況について情報を集め、UNTSO司令官と両国とのトップ会談に備えることだ。同氏はメディアの報道内容にも通じている。

最近の武力衝突の激化にもかかわらず、同氏は中東和平の実現に楽観的だ。「UNTSOの創設時、休戦ラインは4本あった。今では、ヨルダンとエジプトがイスラエルと平和条約を結び(1974年と1994年)、2022年にはイスラエルとレバノンが海洋境界線を画定する合意文書に署名した」と指摘する。「(長年敵対してきた)イスラエルとレバノンが初めて合意を結んだ。両国の関係改善への第一歩と期待している」
スイスは今年、平和維持活動70周年を迎える。連邦政府は1953年、朝鮮戦争(1950~53年)の休戦協定を監視するため、スイス軍の派遣を決定した。これがスイス軍による「平和の促進」の幕開けとなり、国連平和維持活動(PKO)への参加につながった。現在も続く国連休戦監視機構(UNTSO)への派遣は、スイス軍のPKO派遣で最も長い歴史を持つ。
英語からの翻訳:江藤真理
この記事は「SWI swissinfo.ch 日本語版」の許可を得て掲載しております。