2023-05-26 政治・国際

イランで850万トンのリチウム鉱床発見 世界第2位のリチウム埋蔵国に躍進、原料や電気自動車市場に影響か

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注目ポイント

イランは、北西部の山岳地帯ハマダンに最大850万トンのリチウムが埋蔵されていると公表しており、これが正しければリチウム埋蔵量では世界第2位の国となり、リチウム市場のみならず電気自動車産業にも影響を及ぼすことになる。電気自動車の需要が高まり、電池の原料であるリチウムが新たなエネルギー源になりつつある。

 

新エネルギーの主要原料としてのリチウム

電気自動車(BEV)は68.7%増の789万台、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)も、前年同期比50.8%増の274万台となり、両種の合計は前年同期比63.6%増の約1,065万台の販売となった。

電気自動車の主な動力源はバッテリーであり、現在はリチウムイオン電池が市場の主流となっている。工業技術研究院(ITRI)は、リチウム電池は携帯電話やノートパソコンに広く使われているものの、過去に携帯電話の爆発・発火事故があったことを指摘している。その分、電気自動車の安全性が注目されているが、リチウムイオン電池ブームが続いていることもまた事実である、と話した。

米国地質調査所(USGS)は2022年、探査可能なリチウム鉱床には大きく分けて硬岩鉱床と塩水鉱床の2種類があると発表した。リチウムの主要な埋蔵地は、主に中南米とオーストラリアにあり、全体の上位10か国に集中している。産出量の順位はチリがトップで920万トン、次いでオーストラリアが570万トン、アルゼンチンが220万トン、中国が150万トン、米国が90万トンとなっている。

3月6日にc政府は、1つの巨大なリチウム鉱床を発見という、重大発表をした。イラン国営テレビは、イラン工業省の関係者であるモハメド・ハディ・アマディ氏がイラン北西部の山岳地帯ハマダンで最大850万トンのリチウム鉱床を発見したと放送した。

ゴールドマン・サックスのアナリストはCNBCの取材に対し、イランのリチウム輸出量が拡大すれば、金属の価格が下がることになると述べた。また今後9~12か月で、電池の主要原料であるリチウム、コバルト、ニッケルの価格が低下する見通しだ。 電気自動車市場はまだ非常に熱いが、オーストラリアや中国などの国からの供給が最近拡大し、同期間に34%増加したことが、リチウムなどの原料価格低下の主因である、と話した。


新たなエネルギー源としてのリチウム電池の6つのメリット

電気自動車の主な市場は中国と西ヨーロッパで、中国が63%、西ヨーロッパが29%を占めている。トレンドフォースによると、今年は電気自動車の生産工程が徐々に改善され、新型コロナウイルスの終息に伴い人々のレジャーや仕事での外出機会も増え、自動車業界には更に追い風が吹くとされている。


リチウム電池には、それぞれ以下のような利点がある。

高密度エネルギーで高電圧。

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