2023-05-25 政治・国際

「西側連合」VS「露中枢軸」新冷戦の構図示した広島サミット【樫山幸夫の一刀両断】

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注目ポイント

G7広島サミットは久々に大きな成果を残した。各国首脳そろっての原爆慰霊碑献花、ウクライナのゼレンスキー大統領電撃訪日などドラマも少なくなかった。首脳声明は、ロシアを強く非難しただけでなく、中国に対しても「東シナ海及び南シナ海における状況を懸念」とけん制。G7が対ロシア問題の延長線上に中国を見すえたかっこうで、「西側同盟対中露枢軸」という〝新冷戦〟の構図が鮮明になった。その最前線、極東で中国と対峙する日本はどうするのか。

外相は秦剛国務委員兼外相と昼食をとりながら日中関係全般について長時間、意見交換、王毅政治局員とも夕食をともにしながら会談した。習近平国家主席につぐ序列2位の李強首相への表敬訪問も実現した。

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秦剛国務委員兼外相

王毅氏は日米関係をけん制するような発言をしたものの、李強氏への表敬など先方の林外相への歓迎、厚遇ぶりは並々ならぬものがあった。

強硬発言とは裏腹に対日関係がさらに悪化するのは避けたいという中国の本音も伝わってくる。

大国同士の共存関係も模索する中国と米国は、自らの利益になると思えば簡単に政策を変えて接近することもあろう。そうした事態になれば、日本ははしごを外されてしまう。

それを避けるためにも、やはり硬軟併せ持って臨むべきだろう。

1971年、日本を無視した米中頭越し接近、よもや忘れまい。

 

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