2023-05-24 政治・国際

台湾記者、取材許可されず 外交部「中国の圧力、強く非難」 WHO総会

注目ポイント

世界保健機関(WHO)年次総会の取材許可証の受け渡しを拒否された中央社の記者について、台湾外交部は強い不満を表明し、中国政府を強く非難した。中央社の記者は台湾(中華民国)という国籍を明記していたが、受け渡しを拒否されたという。外交部は国際連合が長い間台湾の記者の取材を認めていないことに触れ、国連憲章や世界人権宣言に反する行為だと指摘した。また、中国政府については、台湾人を守ると言った挙句、台湾人を傷つける行為ばかりしていると批判した。国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」や台湾外国籍記者聯誼会も声明を出し、全てのジャーナリストとメディアを受け入れるべきだとの立場を示した。

台湾記者、取材許可されず 外交部「中国の圧力、強く非難」 WHO総会

(台北、ロンドン中央社)中央社の記者が世界保健機関(WHO)年次総会の取材許可証の受け渡しを拒否された問題で、外交部(外務省)は23日、強い不満を表明した。また、背後で圧力をかけた中国を強く非難するとした。

中央社の記者はWHO総会の取材許可証の申請時、国籍の備考欄に「台湾(中華民国)」と明記。今月中旬には許可を通知するメールを受け取っていたが、国連ジュネーブ事務局で現地時間22日、受け渡しを拒否された。職員は記者に対し「中国の圧力を受けた」と説明していた。

外交部は、国連が長い間台湾の記者の取材を認めていないことに触れた上で、国連憲章や世界人権宣言に明らかに反した行為だと指摘。中国政府については「台湾人を守ると言っておきながら台湾人を傷つける行いばかりしている」と批判した。

この問題を受け、記者団体も声明を出しており、国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」は、国連に対し「出身地に関係なく全てのジャーナリストとメディアを受け入れるべき」との立場を示した。

台湾で活動する外国人ジャーナリストでつくる「台湾外国籍記者聯誼会」は、ジャーナリストの権利は国籍によって決められるべきではないとし、報道の自由が保障される重要性を訴えた。

(黄雅詩、陳韻聿/編集:楊千慧)

 

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