注目ポイント
「回転ベッド」や「全面鏡張り」のような昭和の薫りが漂う日本各地の「昭和ラブホ」を巡り、ツイッターやインスタグラムで魅力を発信している平成生まれの昭和ラブホ愛好家、ゆななさんが台湾のラブホテルを初訪問。日本のラブホ文化の影響を強く受けながら、「ラブホ=カップル利用」という固定観念を軽々と飛び越える多様性にあふれた台湾ラブホの世界を案内する。
私は日本の昭和時代に建てられたラブホテル、通称「昭和ラブホ」の虜になり、北海道から沖縄まで、全国にある昭和ラブホを単身で100軒以上巡っている。 私が昭和ラブホに出会ったのは約5年前。ネットを見ていたら、ある昭和ラブホの写真を見つけたのがきっかけだ。
スペースシャトルの形をしたベッドがあるホテルだった。平成生まれの私は、シンプルなラブホしか知らなかったので「こんなホテルがまだ現存しているなんて!」と大きな衝撃を受け、当時は当たり前だった内装や設備が逆に新鮮に感じ、昭和ラブホの沼へとハマっていった。
「ラブホ=日本の文化」だが、台湾にもラブホがあることをご存知だろうか。実は日本のラブホ文化が台湾にも輸出されているのだ。私の著書『回転ベッドを追いかけて』で、昭和40年代〜平成初期に1600棟ものラブホを設計・デザインしたレジェンド、亜美伊新(あみい・しん)さんにインタビューした際、台湾の設計士から「日本のラブホを参考にしてもいいか?」と言われたことがあると語っていた。日本のラブホ文化は以前から注目の的だったことが窺える。
数年前から、台湾のラブホには絶対行きたい!と思っていたが、コロナもあり行けない日々が続いていた。だが入国規制が緩和され、念願叶って台湾ラブホに行ってきたのである。
台湾のラブホは後ろめたさがない

今回私が行ったラブホは「ウェゴ ブティック ホテル 大直館(薇閣精品旅館大直館)」。台北市中山区のMRT「剣南路」駅から徒歩2分ほどと、駅近なのが高ポイントだ。建物内には日本でお馴染みの飲食チェーン店が入っていて謎の安心感が生まれた。
日本だと「ラブホはカップルで利用する」というイメージが強いと思うが、台湾のラブホはいい意味でオープン。カップル層の利用がメインだが、家族連れ・友人同士・一人利用も可能。後ろめたいイメージがないのが、とてもいい。
早速、いざ入室!

なんだこれは!! 部屋に木馬が登場。しかもボタンを押すと左右に動く仕掛けまであるではないか!
思わず「すごい」と声に出してしまった。この日はこちらの部屋に一泊。各部屋に名前が付いていて、この部屋には「異想樂園」という名が付けられていた。

天井もポップで小さい風船が集まったかのような形の照明が印象的。見ているだけでも飽きないし、心がワクワクする。

しかも見どころは木馬だけではない。なんとも乙女心くすぐられるベッド!!!
天蓋付きでまるで姫気分。可愛らしさがあふれ出している。
