2023-05-23 ライフ

色々あった5月20日―総統就任日もかすむ3つの衝撃事件―

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

日本では5月20日は成田空港開港記念日であり、また、世界の王貞治氏の誕生日でもあります。ここ台湾では「我愛你(ウォーアイニー)」と「520(ウーアーリン)」の発音が似ていることから、5月20日は愛の告白をする日とされています。台湾の総統(大統領に相当)が就任するのも5月20日です。そして来年の5月20日は第8代総統の新たな船出です。でも、今年はこの日に恐ろしい事件報道が3つありました。また、35年前の5月20日には戦後最大のデモが台北駅前大通り(忠孝西路)で起きました。今回は5月20日にまつわるアレコレを見ていきましょう。

バレンタインが三度ある

織姫と彦星が一年に一度出会う七夕、中華圏では古くから恋人の日とされています。戦後、西洋からやってきた聖バレンタインデー(2/14)も恋人の日です。そして最近、語呂合わせから5月20日も恋人の日として若者を中心に認定されつつあるようです。つまり台湾には恋人の日が年3回あるのです。別に何回あってもいいのですが、実は台湾の「バレンタインデー」は、日本のように、女性が男性にチョコレートをプレゼントして愛を告白するのではなく、ほとんどの場合、男性が女性にプレゼント(チョコレートに限りません)を渡しながら愛を告白する日なのです。それに加えて、彼女の誕生日とクリスマス、最低年5回は甘い言葉とプレゼントを彼女に送ります。昭和の日本男児である筆者も照れながら頑張っています。

© Shutterstock

身の毛もよだつ三つの事件

5月20日はこんなロマンティックなことだけではありません。今年は3つの怖い事件がありました。一つは「5億元高校生転落事件」です。台中の男子高校生(18)は、祖父の遺言により5億元の不動産を相続しましたが、これまでにたった2度しか会ったことがない司法書士アシスタント男性と結婚(台湾では同性婚は合法)、婚姻届け提出の2時間後にビルの10階から転落し、死亡しました。遺産相続殺人事件はテレビドラマなどではかなりありふれたストーリーですが、祖父の遺言、その祖父が実は実父だったこと、高校生の巨額遺産相続、同性婚、直後の転落死など、凡人の理解を超えた不可解なことが立て続けに起こった怪奇事件です。この事件の第一報が5月20日に報じられました。

また、台中の小学校では高学年でいじめ問題が発生、教師の仲介により一旦は和解しましたが、憎しみが再燃したいじめた側の少年が友達3人と共謀して相手を殺そうとする事件が発生しました。これは未遂に終わりましたが、この事件の特異性は、少年がネットで猛毒を持つキョウチクトウ(夾竹桃)など何種類かの毒草を検索、その結果、毒草オウゴンカズラを選び、自らの手ですりつぶし相手の水筒に入れる際、怪しまれないように砂糖と一緒に混入したという巧妙でぞっとするような事件です。重大犯罪の低年齢化が社会に与える衝撃は決して小さくないと思います。

桃園では520バレンタインということで、あるマッチョな青年が女性に愛を告白しましたが、見事に玉砕したようです。この超人ハルク君は失恋を忘れるために7‐11で鶏の胸肉を買ってプロテインを補充しようとしましたが、あいにく売り切れでした。やけのやんぱちになったハルク君、7‐11で大暴れ(流血あり、閲覧注意)、通報で駆け付けた警官と派手な立ち回りを演じた挙句、ボコボコにされて御用となってしまいました。

⎯  続きを読む  ⎯

あわせて読みたい