2023-05-22 政治・国際

台湾海峡触れたG7声明に「内政干渉」と反発 中国が主要先進7か国を「大嫌いな理由」とは

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注目ポイント

21日閉幕した主要先進7か国(G7)広島サミットは、前日に首脳声明を発表。法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を強化すると明記した上で、台湾海峡についても懸念を表明。平和と安定の重要性を改めて確認し、問題の平和的な解決を促すとした。その中国について米FOXは、「中国はG7が大嫌い」との見出しで、根拠となる「4つの理由」を挙げた。

21日閉幕した主要先進7か国(G7)広島サミットは、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を強化する首脳声明を20日に発表した。ウクライナ支援を継続するほか、現実的なアプローチを通じて、「核兵器のない世界」に向けて取り組むとした。またグローバル・サウス(新興国や途上国)に対し、各国の事情を考慮しながら支援することを明記した。

声明では中国について、東・南シナ海の状況に深刻な懸念を表明し、力や威圧によるいかなる一方的な現状変更の試みにも強く反対すると明言。台湾海峡の平和と安定の重要性を改めて確認し、問題の平和的な解決を促すと記した。

また、中国にはロシアがウクライナ侵攻をやめるよう圧力をかけることを求めた。一方、G7各国にとって中国は重要な貿易相手であり、経済的な結び付きを切り離す「デカップリング」ではなく、経済関係を維持しながら相互間で抱えるリスクを減らしていくことを目指すとした。

声明を受けて中国外務省の報道官は、台湾海峡の平和と安定の重要性に触れたことなどに対し「中国の内政に対する粗暴な干渉だ」と批判し、「強い不満と断固たる反対」を表明する談話を発表した。既に議長国の日本などに「厳正な申し入れ」を行ったとしている。

談話は、台湾問題の解決は中国人自らが行うことだと強調。「国家主権を守る中国人民の強い決意を過小評価するべきではない」と訴えた。また、「少数の先進国が他国に理不尽に介入し、世界情勢を操作する時代は終わった」と主張。排他的な小グループによる封じ込めや抑圧をやめるべきだと表明し、中国包囲網の形成をけん制した。

そんな中、米FOXニュースは20日、中国が「G7を大嫌いな4つの理由 それとも単に嫉妬しているのか」と題した論説を電子版に掲載した。その4つとは次の通り。

1. G7は中国の経済圧力を跳ね返す力があるから

2021年の世界銀行の統計によると、G7の経済規模は年間合計42.4兆ドル(約5850兆円)なのに対し、中国は19兆ドル(約2620兆円)。G7首脳らは中国がボイコットや米企業などへの脅迫など経済的圧力をかけ続けた場合、新たな戦略で反撃する。中国の一部の分野ではほぼ100%輸入に依存しているため、米戦略国際問題研究所のビクター・チャ氏が今月10日に連邦議会で証言したように、太陽電池用の銀粉などの製品(主に日本製)に対象を絞った経済制裁は効果がある。

2. G7はウクライナを支援

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