注目ポイント
台湾で来年1月に投開票される次期総統選挙。最大野党・国民党の公認候補、侯友宜新北市長は20日、台北市の党本部で開かれた激励会で、中華民国の美しさと台湾人の良さを取り戻すと決意を語った。

(台北中央社)台湾で来年1月に投開票される次期総統選挙。最大野党・国民党の公認候補、侯友宜(こうゆうぎ)新北市長は20日、台北市の党本部で開かれた激励会で、中華民国の美しさと台湾人の良さを取り戻すと決意を語った。野党・民衆党の柯文哲(かぶんてつ)前台北市長も同日、北部・新北市で記者会見を開き、政権交代を訴えた。
▽国民党・侯氏「しっかりとやる」
侯氏は、中米が絶えず対立し、両岸(台湾と中国)が緊張状態となり、経済は疲弊し、社会は秩序を失ったと指摘。台湾の人々は未来を見通せず、国家は団結と分裂、平和と戦争の危機に立たされていると警鐘を鳴らした。
また与党・民進党の公認候補、頼清徳(らいせいとく)副総統が今回の総統選は民主主義と専制主義の選挙だと発言したことに対し、中華民国の自由と民主主義はすでに40年間根付いていると反論。頼氏に台湾を分裂させないよう呼び掛けた。
当選した場合は、憲法の規範にのっとり立法院(国会)で国情報告を行い、全国民からの監督を受けると強調。やるべきことをしっかりとやることは基本的な条件ではないかとし、民進党政権に最も足りないことは「しっかりとやること」だと批判した。

▽民衆党・柯氏「台湾は米中意思疎通の架け橋になるべき」
柯氏は国際情勢や両岸関係について、台湾は米中意思疎通の架け橋になるべきで、米中対立の駒になるべきではないと主張。台湾の全ての人々が民主主義や自由な政治体制と生活を引き続き享受できることを確保した上で、対岸(中国)との対話のパイプを回復させると語った。
また「理性的、現実的、科学的」な精神で清廉な政府を再構築するとし、政府のデジタル化を加速させる他、高等教育の強化や出産と子育てに優しい職場環境づくりに取り組み、少子化の危機を解決すると述べた。
エネルギー政策については、安定したエネルギーの発展を推進するとした上で、現役の原子力発電所の運転期間延長や再生可能エネルギーの発展促進などを図る考えを示した。
(郭建伸、劉冠廷/編集:齊藤啓介)