2023-05-21 政治・国際

総統選/台湾の総統選 頼副総統擁立の与党・民進党関係者「中間層と若者の取り込みが鍵」

注目ポイント

台湾の総統選において、与党・民進党は頼清徳副総統を擁立し、全国各地の後援会の設立イベントを通じて組織の結束を強める予定だ。党内からは、頼氏について、これまでの政治の経験と国際的な視野を踏まえ、各候補の中では最も優勢だとした上で、中間層と若者の取り込みが勝敗の鍵になるとの声が聞かれた。一方、最大野党・国民党は侯友宜新北市長を擁立したが、民進党は4月12日に頼氏を公認候補とした。民進党では6月末までに全国各地で後援会組織を発足させるとしている。また、若者は権威主義や執政者に疑念を抱いている傾向があるとしながらも、民衆党候補の柯文哲前台北市長を支持する有権者を「頼氏も悪くない」と思わせたいとの声があがっている。選挙戦では頼氏の指導力や台湾を安定化させられることをアピールする必要があるとみられている。

台湾の総統選 頼副総統擁立の与党・民進党関係者「中間層と若者の取り込みが鍵」

(台北中央社)来年1月に行われる総統選挙を巡り、主要政党の公認候補者が17日までに出そろった。頼清徳(らいせいとく)副総統を擁立する与党・民進党は、全国各地の後援会の設立イベントを通じて組織の結束を強める予定だ。党内からは頼氏について、これまでの政治の経験と国際的な視野を踏まえ、各候補の中では最も優勢だとした上で、中間層と若者の取り込みが勝敗の鍵になるとの声が聞かれた。

最大野党・国民党は候補者選びに難航し、17日になってようやく侯友宜(こうゆうぎ)新北市長を擁立したのに対し、民進党は4月12日に頼氏を公認候補とした。民進党では6月末までに全国各地で後援会組織を発足させるとしている。

党の関係者は、現在のところ民進党を政権の座から降ろそうとするムードは皆無だと分析。ただ中間層や若者が選挙の鍵だとし、民進党と国民党が一定の票数を獲得するとみられる中で、第三勢力の野党・民衆党がどれだけの票を奪うかに注目すべきだと話す。

また若者は権威主義や執政者に疑念を抱いている傾向があるとしながらも、民衆党候補の柯文哲(かぶんてつ)前台北市長を支持する有権者を「頼氏も悪くない」と思わせたいと語る。選挙戦では頼氏の指導力や台湾を安定化させられることをアピールする必要があるとみている。

呉思瑤立法委員(国会議員)は、頼氏の地方から中央までの経歴は完璧だと強調する。台南市長や行政院長(首相)、副総統を歴任し、対応力は内政と外交いずれも対抗馬よりも優れているとの見方を示した。

両岸(台湾と中国)関係については、頼氏が安定かつ平和的で、台湾を主体とすることを目指すとする一方、侯氏の両岸政策はあいまいだと指摘。国民党の方針による制限を受け、中国に接近するだろうと危機感をあらわにした。

頼瑞隆立法委員は、若者は過去には政治への関心が比較的薄かったとしながらも、もしさらに多くの若者の支持を集められれば、勝利する可能性はより高まると語った。若者に投票や票集めをしてもらうようにすることは、民進党の重大な任務だとの認識も示した。

(葉素萍/編集:齊藤啓介)

 

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