注目ポイント
明日5月20日は、台湾では「恋人たちの日」。2月のバレンタインデー(情人節)や8月の七夕情人節と並ぶ新たなバレンタインデーとして、近年、若者を中心に定着し、企業も520商戦に力を入れている。なぜ5月20日なのか。ほかのバレンタインデーとの違いとは?
台湾にはさまざまなバレンタインデー(情人節)がある。最も有名な2月14日のバレンタインデー(情人節)、それに続く3月14日のホワイトデー(白色情人節)、そして旧暦7月7日の七夕(七夕情人節)にも多くの台湾人はプレゼントを贈るのがおなじみだ。
今回ご紹介するのは5月20日。実は台湾では、この「520」が新たな恋人たちの日として認知されつつあり、花屋だけでなく百貨店やアクセサリー店、化粧品会社なども力を入れている。
数字の語呂合わせがきっかけ
そもそも「520」という数字自体に特別な意味があるわけでない。ではなぜ5月20日なのかといえば、「520」の発音(wu er ling)が「我愛你(wo ai ni/私はあなたを愛しています)」と発音が似ていることがきっかけだ。
その起源には諸説あるものの、台湾人歌手の范曉萱さんの楽曲「數字戀愛(数字恋愛)」に「520 是我愛你(520は「愛している」の意)」というフレーズがあり、そこから企業が「『520』にプレゼントを贈ろう」というキャンペーンを展開し始めたことで、一般に広まったといわれている。日本の菓子メーカーが「バレンタインデーにチョコレートを贈ろう!」と広告したことで、日本では「バレンタインデー=チョコレート」が定着したのとよく似ている。
本番のバレンタインデーより花屋は忙しい?
では、5月20日当日に台湾人は何をしているかというと、ほかのバレンタインデーと同様にプレゼントを贈ったり、レストランで食事をしたりする人が多い。独身の人や恋人がいない人でも両親や友人にプレゼントをしたり、もちろん特に何もしないという人も大勢いる。
花屋目線でいえば、「520」に花を買いに来る人は、2月のバレンタインデーと同様か、それ以上に多いと感じることもある。特に昨年はコロナの影響で外出自粛ムードがあったにもかかわらず、多くのお客様が当店で奥様や彼女への花を選んでいた。バレンタインデーやホワイトデーには高価なプレゼントをする方が多い一方、「520」はそこまでのイベントではないと考えている方が多いのか、手頃な価格で買える花をちょうどよいプレゼントとして選んでいるようだ。
お客様の中には「520」に告白する人、プロポーズする人、籍を入れる人、結婚式を挙げる人もいる。記念日としても覚えやすいため、恋人たちが特別な決断をするのにはおすすめの日かもしれない。
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