2023-05-12 政治・国際

中国のPMIが2月に10年ぶりの高水準に 「赤い供給網」がコロナ流行後に急速回復、OEM、液晶パネル、メモリに焦点が当たる

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注目ポイント

最新の発表によると、中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)が52.6と大きく回復し、これは2012年の最高数値で、中国は新型コロナウイルス流行の影響から徐々に脱却しつつある。電子機器のOEMや液晶パネル、メモリ産業は台湾企業の次の焦点である。

3月1日に中国国家統計局と物流購買連合会が共同で発表したデータによると、2月のPMIが52.6と大幅回復し、中国は徐々にコロナの影響から脱却しつつあることを示している。この数字は2012年以来最も高く、「赤い供給網」が急速に回復していることを表しており、北京の影響力もコロナ流行前の軌道に戻ることを意味している。


中国の「赤い供給網」は間もなく降下が停止し再び上昇する

かつて中国はコロナの影響を受け、製造業PMIが昨年は常に分岐点の50で上下を行き来していた。昨年4月の47.4から6月の50.2の高水準まで上昇して以来、緩やかな降下を始め、当時市場は中国経済の弱体化を予想した。

PMIは経済を判断するための総合指標で、製造業の場合、通常は購買、資材、サプライチェーン管理などの調達関連部門の実態を把握するものである。PMIの数値は0~100%の間にあり、50%以上の場合は製造業または非製造業の景気が上昇しており、50%未満の場合は後退期であることを示し、経済を判断する上で重要な指標となる。

最近の市場にとっては、中国がいつコロナの影響から抜け出せるかが焦点となっている。3月1日に国家統計局と物流購買連合会は共同でPMIが52.6と急回復し、2か月連続で景気上昇が続き、2012年の最高値であると発表した。「ウォール・ストリート・ジャーナル」は、昨年12月に中国のゼロコロナ政策が解除されて以来、製造業の景気が急速に回復していると明言した。

つまり、中国の「赤い供給網」に関わる多くの企業の影響力が飛躍的に高まり、停滞期から拡大期に戻ることを意味している。さらに詳しく見ると、春節によりコロナの影響が薄れ、生産能力を表す生産指数は56.7、新規受注指数は54.1となり、それぞれ前月比6.9ポイントと3.2ポイントの上昇となった。

その中で最も強い指数を記録したのは、木材加工および家具製造、金属製品、電気機械設備などの分野で、いずれも60.0以上まで上昇し、好景気ゾーンに位置している。また、製造業主要原材料購買価格指数が54.4まで上がり、前月に比べ2.2ポイント上昇した。注目すべきは、製造業やサービス業も拡大に転じたものの、数値は前月より低下しており、中国の製造業における輸出の強みが「強さの中に弱さが見える」ことを示している。


「赤い供給網」の注目すべき点:OEM、液晶パネルやメモリ

先日、「赤い供給網」の代表企業であり、鴻海の強力なライバルである立訊精密が、今後5年間で電子機器に代わって、徐々に電気自動車を重要な成長事業にすると公表された。

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