2023-05-11 政治・国際

クレーン落下 台中メトロの乗客1人が死亡 9人けが/台湾

注目ポイント

中部・台中市で10日、工事中の建物の屋上に設置されていたクレーンのアーム部分が台中メトロ(MRT)グリーンラインの線路上に落下し、走行中の列車がこれと衝突した事故で、乗客の女性1人の死亡が確認された。

クレーン落下 台中メトロの乗客1人が死亡 9人けが 台湾(読者提供)

(台中中央社)中部・台中市で10日、工事中の建物の屋上に設置されていたクレーンのアーム部分が台中メトロ(MRT)グリーンラインの線路上に落下し、走行中の列車がこれと衝突した事故で、乗客の女性1人の死亡が確認された。他の乗客9人もけがをし、病院に搬送された。

建物は31階建て。当時はクレーンの撤去作業が行われていた。落下したアーム部分は建物1階にあるアーチや地上に止まっていたクレーン車に接触した後、台中メトロの防音壁を突き破って線路をふさいだとみられる。

事故に遭った列車の1両目に乗っていた林さんは、当時列車は駅を出発し、加速をしている最中で、線路上のクレーンにそのままぶつかり、少ししてからゆっくりと停止したと話した。

台中市政府消防局の関係者は、亡くなった女性について、クレーンと衝突した弾みで外に投げ出されたとみられると語った。またけがをしたのは男性5人、女性4人で、男性1人はカナダ人だとした。

事故を受け、台中市の王育敏(おういくびん)副市長は事故があった建物の工事の即時停止を求めた。また同市都市発展局の李正偉局長は、建築法に違反したとして工事の申請者や請負業者、監督者などに対して総額27万台湾元(約119万円)の過料を科すと発表。労働部(労働省)の関係者も、職業安全衛生法に違反したとして30万元(約132万円)の過料を科す方針を明らかにした。

(郝雪卿、蘇木春、張麗妍/編集:齊藤啓介)

 

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