2023-05-09 政治・国際

都内の駅構内で缶破裂し2人けが、立ち去った中国人男性「洗剤入れた」

© 缶が破裂した東武鉄道・西新井駅の券売機付近=9日午後、東京都足立区(吉村剛史撮影)

注目ポイント

5月8日午後、東京都足立区西新井栄町の東武鉄道・西新井駅で、構内に置かれていた缶が破裂し、駅利用者の女性と、女性を介抱した駅員の計2人が負傷した。いずれも軽症とみられている。広島市で今月開催される先進7か国首脳会議(G7サミット)前に日本各地で警戒態勢が強化されている中での出来事で、通行人らは「怖い」「テロを疑ってしまう」などと驚きを隠さなかった。

捜査関係者によると、同日午後3時55分ごろに駅員から「缶が破裂した」という内容の110番通報があり、警視庁西新井署員が駆けつけたところ、駅構内券売機付近でコーヒー飲料の缶が破裂し、缶から液体が飛散していた。

缶が破裂した東武鉄道・西新井駅の券売機付近=9日午後、東京都足立区(吉村剛史撮影)
警視庁西新井署=9日午後、東京都足立区(吉村剛史撮影)

破裂時にこの液体が顔や足などにかかった駅利用者の20歳代の女性が「熱い」などと、やけどのような症状を訴え、この女性を介抱した駅員も手で液体に触れたため同様の症状を訴えていたという。

駅構内の防犯カメラには、同区に住む中国籍の男性(49)が缶を置いて立ち去る様子が記録されていたため、同署員が自宅近くにいた男性から事情を聴いたところ、「勤務先の洗剤を家に持ち帰って使うために缶に入れていた」「故意ではなかった」などと説明したという。同署では強アルカリ性液体洗剤がアルミニウム製の缶に触れたことで化学反応を起こし、密閉された缶内で揮発したことで圧力を高め缶が破裂した可能性があるとみて、過失傷害容疑などを視野に、男性から詳しく事情を聴いている。

現場近くの飲食店勤務の男性は「ものすごい破裂音がした。店内のお客さんらも一時は騒然となった」と証言。

西新井駅を通勤で利用している会社役員の男性(57)は、「けが人が出たと聞いたので正直怖い。広島で開催されるG7サミットの直前でもあり、会社ではサイバー攻撃などを警戒していた矢先だったため、テロを疑った」などと話していた。

東武鉄道・西新井駅の券売機付近には破裂した缶から液体が飛散したため清掃具も置かれていた=9日午後、東京都足立区(吉村剛史撮影)

広島市で今月開催される先進7か国首脳会議(G7サミット)に向け、日本各地では警戒態勢が強化されており、4月20日には東京都杉並区のJR高円寺駅構内で黒色の段ボール箱が、同25日にはJR広島駅の商業施設内男子トイレで紙袋に入ったアタッシェケースが放置されているのが発見されたのをはじめ、5月5日にもJR仙台駅東口で電気コードが付いた鉄パイプが発見され、機動隊の爆発物処理班が出動するなど不審物騒ぎが続いていたが、いずれも危険性がなかったことが判明していた。

多くの乗降客でごった返す東武鉄道・西新井駅改札。券売機はすぐ隣にある=9日午後、東京都足立区(吉村剛史撮影)

 

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