2023-05-12 流台湾

日本産は高嶺の花。台湾で流通しているカーネーション事情

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

今週末は「母の日」。母の日のフラワーギフトといえばカーネーションが定番だが、台湾では台湾産やベトナム産の流通が多いという。それぞれの特徴や台湾における日本産カーネーションの立ち位置を、台北で花屋を営む日本人店主が解説する。

日本ではサントリーグループが青いカーネーションを開発するなど、新しい品種のカーネーションが続々と登場している。市場に色鮮やかなカーネーションが大量に並ぶ母の日付近は、全国の花屋にとって最も神経を使う仕入れ週間だ。

大量の注文を捌き切れるか、しっかり売り切ることができる適切な仕入れ量を確保できるか、品質の良いカーネーションを仕入れられるかどうかは、オーナーや仕入れ担当者の腕にかかっており、どの花屋も緊張しながら母の日を迎える。

それは台湾の花屋も同様で、母の日にはカーネーションの争奪戦に翻弄される。では、台湾ではどんなカーネーションが出回っているのか。台湾におけるカーネーション事情をご紹介したい。

 

母の日以外でも台湾ではおなじみ

台湾でもカーネーションは栽培されていて、一年中市場で手に入れることができる。市場では1束20本単位の販売で、価格が高騰する母の日を除けば、比較的安価な花材として知られている。

一般的に出回っているのは1本の茎が枝分かれし、その先に小輪の花が4〜6輪ほどついているスプレータイプと呼ばれるもので、残念ながら全てが開花するわけではないが、他の花材に比べて長持ちするため、ほとんどの花屋が日常的に扱っている。

また、大輪のカーネーションも流通しているが、色のバリエーションが少なく、赤やピンクなどしかない。ただ、台湾では通常の花束のほか、スタンド花やお供え用として使うことも多く、「赤」が好きな台湾人にとっては街中でもよく目にする花材だ。

 

ベトナム産を購入する際は注意が必要

台湾産のカーネーションは色のバリエーションが少ないため、ベトナム産のカーネーションを使用する花屋が台湾では多い。ベトナム産はスプレータイプと大輪タイプのどちらも流通していて、台湾産ほどではないが安価なことから、フラワーアレンジメントやいけばなの先生もよく利用する。

台湾産

ベトナム産を購入する際の注意点は、品質をよく見極めること。包装の中が蒸れてカビが生えていたり、花が固すぎて咲かない場合も多いため、よく確認して、少し咲いているものを購入した方が良いだろう。

また、ベトナム産は大輪タイプでも花が小さく、スプレータイプと大きさがあまり変わらないこともある。ボリュームを求めるにしても、スプレータイプの方がお得になる場合があることも覚えておいてほしい。

ベトナム産

 

日本産は品質も最高レベルだが…

ベトナム以外にも、台北花市場には世界各国からカーネーションが集まる。代表的なのは南米産や日本産だが、フランス産やオランダ産もある。

アメリカ産
⎯  続きを読む  ⎯

あわせて読みたい