2023-05-10 政治・国際

【再会!台湾トラブル旅情】最終回 新型コロナ陽性・隔離で友人、知人らから支援続々! 旅の目的上回る体験は現地各メディアなどが報道

© Photo Credit: Shutterstock / 達志影像

注目ポイント

日台間の通常往来再開を印象づけた大型連休。これに先駆けて入境制限が緩和された年末年始に3年ぶりの台湾訪問を決行した筆者は、バイクで全島一周計画を実行するも台南到着直後に体調に異変を感じ、検査で新型コロナ感染が発覚します。しかし、それによってはからずも台湾の人々の親切や暖かさに接し、台湾のコロナ対策の優秀さも知る機会を得ました。世界保健機関(WHO)はこのほど新型コロナ感染症に対する緊急事態宣言を終了しましたが、最終回は年末年始の台湾で隔離された筆者の貴重な体験談です。

台南で「陽性」…奇美医院へ

台南に到着して早々に体調に異変を感じ、何となく試した新型コロナの抗原検査でまさかの陽性反応。バイクで台湾一周(環島)旅行中に起きた想定外の事態です。

おかしい。そんなはずはない。体調は万全だし、新型コロナの予防接種も3回打っている。抗原検査キットを斜めにしたり横から眺めたりしたけど、やっぱり検査結果は陽性です。

症状は全くないけど、大好きな台湾で感染を広めるわけにはいきません。ここは病院へ行き、台湾のルールに従って行動しよう。

陽性反応が出たのが金曜日(2022年12月30日)の夜。新型コロナ対応ができて、休日も診療をしている病院を探さないと…。

日本台湾交流協会台北事務所(大使館に相当)のホームページで台南市内の医療機関一覧が掲載されていたため病院はすぐ見つかりました。どうやら台南市内にある「奇美医院」が良さそうです。

奇美医院は台南を拠点にしている奇美グループの一員で、創立者の許文龍氏は大の親日家としても有名です。2017年に「中華統一促進党」の党員によって烏山頭ダムの八田與一像の首が切断、持ち去られた際は、この許文龍氏が、保存していたレプリカを提供して無事に修復されました。

台南市内にある奇美医院(筆者提供)

奇美医院に着くと新型コロナ専用外来に通され、体温や症状を聞かれて薬を処方されました。待ち時間を含めても30分ほどで診察完了。筆者は台湾在住者ではないので、台湾の国民健康保険等に加入していません。診療代は全額自己負担ですが、2027元(約9000円)ほど。あとはホテルに戻って自主隔離に入ります。

ITを活用した先進的な新型コロナ水際対策で、パンデミック当初は世界中にその名をとどろかせた台湾。それにしては普通の手続きで拍子抜けしたな、と思ったら台湾のIT政策が本領発揮するのはここからでした。

 

LINE上で簡単に陽性者登録

台南健康共照雲~LINEでコロナ対応(筆者提供)

ホテルへ帰るとSMSが届いていました。

コロナ陽性者登録をしてほしいとのこと。指定されたとおりに進めると台南市政府のLINEアカウント「台南市政府健康共照雲」(以下、共照雲)に繋がりました。

この共照雲が秀逸で、台湾のコロナ対策の素晴らしさを実感することになりました。

スマートフォンによるコロナ陽性者登録への一連の流れ(筆者提供)

どうやらここで陽性者登録できるようです。

スマートフォンによるコロナ陽性者登録への一連の流れ(筆者提供)

生年月日、身分証明書番号(筆者の場合はパスポート番号)、携帯番号を入力するらしい。まずは生年月日を入力。

スマートフォンによるコロナ陽性者登録への一連の流れ(筆者提供)

続いてパスポート番号と携帯番号を入力してプライバシーポリシーに同意。アカウントが作成され、名前を入力。

スマートフォンによるコロナ陽性者登録への一連の流れ(筆者提供)

最後に登録内容を確認して終了。

⎯  続きを読む  ⎯

あわせて読みたい