2023-05-05 ライフ

【未来の新食品トレンド】老若男女が手軽にタンパク質を補給できる「クリケットアイス」をタイのチームが開発

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注目ポイント

タイのチームが研究している厨房に記者が到着したとき、ちょうど鍋ではココナッツミルクが煮込まれていた。そしてココナッツシュガー、ハチミツ、コオロギの粉をココナッツミルクに混ぜて10分間煮込み、冷ましてから食感をよくするためにピーナッツバターを加え、冷凍庫で固め、レシピが完成した。


 

中央通信社の報道=昆虫を食べるのは怖いと思うかもしれないが、食糧危機の解決策になるかもしれない。 タイの学生研究チームは、コオロギの高タンパク質とアイスクリームの食感が、高齢者や子供たちの栄養補給に役立つことを期待して、コオロギの粉末を使ったアイスクリームを開発した。


「さあ、食べてください。おいしいですよ」。バンコク郊外にあるタイ人のカノクワン・シーハライさん(Kanokwan Seeharai)の研究キッチンに入ると、彼女のチームのメンバーが乾燥コオロギの箱を出し「おいしい」昆虫を試すよう記者を誘った。


気候変動や世界的な人口増加に伴い、近年は食糧不足が懸念されており、科学者たちは代替食糧の確保に躍起になっている。 近年、「フューチャーフード」という概念が生まれ、植物性食品に加え、高タンパク質である昆虫が新たな人気となっているのだ。


タイの人たちは、昆虫を料理に使うことはあっても、昆虫をリメイクして使うことはあまりない。カノクワンさんと研究チームは、アイスクリーム用のクリケットパウダーを開発し、昨年のアジア太平洋経済協力会議(APEC)のイベント「Future Food Competition 2022」で3位に入賞した。

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デュシタニ・カレッジでフードマネジメントの修士課程を学ぶカノクワンさんは、教授のアドバイスにより、同じ修士課程の学生1名と学部生2名と4人チームを組み、昨年末のAPEC未来食コンテストに参加したのだ。


当初、何を作ろうかと頭を悩ませたというチームは、未来食というと植物性のベジタリアンフードを思い浮かべていたというが、実は昆虫は非常にタンパク質が豊富で、コオロギを使おうと考え直し、最初はコオロギを使ったパスタを作ろうとした。だが、すでに類似品が市場に出ていたので、市場に出ていないアイスクリームを選択した。


コオロギはアイスクリームのベースとして食べやすい素材であるため、高齢者や子どもにも適しており、手軽に十分なタンパク質を摂取できるとカノクワンさんは言う。


コオロギを使ったアイスクリームと聞くと、少し驚く人もいるだろう。チームメンバーの1人、プラッチャ・ウラシヤナンダナ(Prachya Urasyanandana)さんは、「一般の人にこの商品を紹介したとき、味に少し懐疑的だったほか、多くの人がアイスクリームをかじると、コオロギが半分見えるのではないかと恐れていた」と笑って話した。しかし、実際使用しているのはコオロギの粉末で見た目や食感は普通のアイスクリームと同じだ。

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