2023-05-06 台湾

誠品、次の24時間営業店舗は「松煙店」に 信義店の賃貸契約満了で/台湾

注目ポイント

誠品生活のマーシー・ウー(呉旻潔)董事長(会長)は4日、信義店(台北市信義区)が今年末で閉店するのに伴い、松煙店(同)が24時間営業を引き継ぐと発表した。

誠品生活のマーシー・ウー(呉旻潔)董事長(会長)

(台北中央社)誠品生活のマーシー・ウー(呉旻潔)董事長(会長)は4日、信義店(台北市信義区)が今年末で閉店するのに伴い、松煙店(同)が24時間営業を引き継ぐと発表した。松煙店は今年下半期に大規模リニューアルを実施する。取り扱い書籍数は現在の3倍となり、かつて24時間営業していた敦南店と同規模になる予定だという。

誠品は1989年に24時間営業の複合型書店「誠品敦南店」(台北市大安区)を開業。2020年5月末に敦南店が閉店すると、信義店が24時間営業の役割を担った。だが、信義店が入居するビルのオーナーが賃貸契約を更新しない方針を示したため、契約が満了する今年末をもって信義店の営業を終了することが決まった。次の24時間営業店舗を巡っては、松煙店の他、台北の繁華街に位置する南西店を推す声も上がっていた。

松煙店は、日本統治時代のたばこ工場遺構を活用した文化施設「松山文創園区」内に立つ複合ビル「台北文創大楼」に入居する。台北文創大楼には、民間が建設、運営を行った後に国や地方自治体に施設を譲渡するBOT(建設、運営、譲渡)方式が採用されている。ウー氏によれば、ビルのオーナーと台北市政府の契約期間は50年。誠品の賃貸契約は33年に満了を迎えるが、次回の契約更新も問題なく行える見通しだという。

松煙店は近隣に台北ドームがある他、ビル内には書店やギャラリー、ホール、映画館などを有する。ウー氏は松煙店を次の24時間営業店舗に選んだ理由について、周辺環境が豊かで、店舗内の事業内容も多元的であることを挙げた。

24時間営業への移行に伴い、書店に関してはテーマや分類を改めて見直す。CDやレコードを扱う音楽館も24時間営業とし、カフェでは朝食から夜食までを提供する。

海外展開については、日本で日本橋店に続く2号店を開業する可能性を示した。

(江明晏/編集:名切千絵)

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