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国際非政府組織(NGO)「国境なき記者団」(RSF、本部・パリ)は3日、2023年の世界各国の報道自由度ランキングを公表した。対象となった世界180カ国・地域のうち、台湾は35位だった。

(台北中央社)国際非政府組織(NGO)「国境なき記者団」(RSF、本部・パリ)は3日、2023年の世界各国の報道自由度ランキングを公表した。対象となった世界180カ国・地域のうち、台湾は35位だった。
昨年より3つ順位を上げ、韓国の47位、日本の68位を上回った。1位は7年連続でノルウェー。2位以下はアイルランド、デンマークと続いた。ベトナムは178位、中国は179位、北朝鮮は最下位の180位だった。
アジア太平洋地域の状況について同団体は、北朝鮮や中国、ベトナム、ミャンマー(173位)は専制体制や独裁体制の国だとし、メディアへの弾圧が最も深刻だと指摘した。
台湾の順位について、同団体のセドリック・アルビアーニ東アジア総事務局長はこの日の記者会見で、台湾のメディア環境が改善したわけでなく、他の国の順位が下がったからだと説明。台湾メディアは相対的に健全だが、偏向的でセンセーショナルな報道が氾濫しているなどとし、改善の余地があるとの見方を示した。
また台湾の政党と政府に対し、来年1月に予定される総統選挙までに速やかに具体的な改善案を出すべきだと呼び掛けた上で、台湾では大きな選挙があるたびに民主主義に大きなリスクがあるとし、今後はメディアのモラルや質が尊重されることを望むと語った。
(葉冠吟/編集:齊藤啓介)