2023-04-29 ライフ

流行りのデジタルノマド、失敗しないためには

注目ポイント

新型コロナウイルスのパンデミック前は珍しい存在だったデジタルノマドだが、今ではトレンドとなった。各国も特別ビザを配給しデジタルノマドを呼び込むが、このライフスタイルには注意すべき点もある。

デジタルノマドとして生きるシャンタル・ウィスさん(27)とマーヴィン・マイヤーさん(30)は、バリ島を拠点に仕事をしている Marvin Meyer

バリ島、午後8時。1月だが今夜の気温はまだ20度超え。シャンタル・ウィスさん(27)とマーヴィン・マイヤーさん(30)はいつものようにノートパソコンの前に座り、ズームでのオンライン会議に参加している。毎日数時間こうして働く。スイスはまだ平日の昼間だ。

2人ともベルン州の出身。インドネシアのバリ島で冬を越すようになって6年が経つ。2年前にデジタルノマドの人気スポット他のサイトへ、チャングーに一軒家を借り、自分たちの好みに合わせて改装中だ。「1年の半分を暮らす国に、自分の家がどうしても欲しかった」とウィスさんは話す。そのためにヴィラの長期賃貸契約も結んだ。

ウィスさんは自身のファッションブランドを持つ事業主。バリ島で製造しスイスで販売している。メディアデザイナーの資格を持つマイヤーさんはウェブマーケティングの仕事をし、スイスに自身の会社を所有している。インスタグラムのフォロワー数は2人合わせて1万2500人。定期的に普段の生活をユーチューブに投稿している。マイヤーさんは友人とポッドキャストも配信している。

つまり、ウィスさんとマイヤーさんは今どきの典型的なデジタルノマドだ。若くて容姿端麗、自営業。サーフィンのメッカで仕事をする。

シャンタル・ウィスさんとマーヴィン・マイヤーさん。マイヤーさんはゴルフが大好きだ zVg

増加するデジタルノマド

パンデミックはデジタルノマドの人気を後押しした。デジタルノマドスイス協会のロレンツ・ラムザイヤー代表は「スイスには公式な数字がない」と話すが、世界青年学生旅行連盟(WYSE)の調査他のサイトへの人数を挙げる。それによると、世界中でデジタルノマドは2017年の750万人から2022年には3500万人に増えたと推測される。

柔軟な働き方を提唱する団体、ワークスマートイニシアチブが行った「フレキシブルな働き方調査2022他のサイトへ」によると、スイスの労働者は移動の自由度を重要視するようになっている。これを新たな職を見つける際の「必須条件」と考える人は15%と、2016年より3倍以上増えている。

「人事担当者から当協会への問い合わせが増えている」とラムザイヤー氏は話す。このようなライフスタイルを選ぶのは以前はどちらかと言えばフリーランスが多かったが、今日では仕事と休暇を組み合わせた「ワーケーション」を希望する会社員も増えているという。

デジタルノマドスイス協会のロレンツ・ラムザイヤー代表 / Claudiobaeggli.com

「子連れでも可能」

サラ・アルトハウスさんは典型的なデジタルノマド像とは少し異なる。38歳でパートナーと小さな子供2人を連れてデジタルノマド界に飛び込んだ。アルトハウスさんはデジタルノマドスイス協会のオンライントークで、子連れでのデジタルノマドをテーマに体験を語った他のサイトへ

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