注目ポイント
台湾と日本は正式な国交はないが、与党による2プラス2会談が開かれた。国防や外交責任者を通じて意見交換が行われ、学者は行政部門間のコミュニケーションに非常に有益であると考えている。日本側からは外交部会長の堀井巌参議院議員と国防部会長の国場幸之助衆議院議員が、わざわざ今回の会談のために訪台した。双方は安保3文書、防衛外交、CPTPPについて意見交換を行った。
台湾民進党と自民党は3月21日に「日台外交・防衛政策」について会談を開催し、意見交換を行った。双方の与党がこのような対面会談を行うのは初めてで、立法委員の羅致政氏と郭國文氏、自民党の堀井氏と国場氏が代表で参加した。会談に3回参加した羅氏は「今回は今までで最も実質的な話し合いができた」と語っている。
2021年8月に第1回の会談が開催された。日台外交・防衛協議は「日台2プラス2安全保障対話」と呼ばれ、双方の与党が外交、防衛、安全保障、貿易などの問題について対話した。第2回は同年12月に開催され、CPTPP(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)と半導体のサプライチェーンにおける協力に焦点を当てた。
「2プラス2安全保障対話」という名称は、双方が2名ずつ代表を派遣したことに由来する。今回、日本側の代表は自民党の堀井氏と国場氏で、会談後に民進党秘書長とも面会したそうだ。2人は会談前夜に到着し、当日に帰国するそうで、わざわざ今回の会談のために訪台した。一方で台湾民進党は、羅氏と郭氏が代表を務めた。
非公開会談に先立ち、メディアのインタビューに応じた羅氏は、議会と選挙が忙しい時期に台湾まで足を運んでくれた2人の議員に感謝の意を表した。今回の会談では、「過去2回のオンライン会談を経て、初めて対面形式で開催」、「初めて台北で開催」、「頼清徳氏が民進党主席に就任してから初めての開催」など、3つの“初”があった。

© Photo Credit: 關鍵評論網 Abby Huang 攝
堀井氏は、昨年12月に自民党の萩生田光一政調会長と世耕弘成参議院幹事長が相次いで台湾を訪問したことを挙げた。その際、蔡英文総統と頼清徳副総統は、新型コロナウイルスの流行が落ち着いたため、双方の与党間で対話ができないかと提案した。
堀井氏は、会談前日の3月20日にインドを訪問した岸田文雄首相が、日本の基本的な外交政策として、「自由で開かれたインド太平洋」という新しいビジョンを提示したことを引用した。インド太平洋地域の国々は、気候変動、国際衛生、最近多発しているフェイクニュースへの対応などについて協力を強化することを推奨した。また、日本はこれまで海上での安全を重視してきたが、今後は海上だけでなく空域も重視し、国際協力を強化する必要があると語った。
堀井氏は、国際社会は台湾海峡、東アジア、インド太平洋地域の安定を維持するために協力しなければならず、2国間のつながりだけではこの世代で生き残れないと述べた。そして、インド太平洋地域における法の支配の重要性を強調し、ロシアのウクライナ侵攻のように、力を使って一方的に現状を変えることは、日本は絶対に反対だと示した。