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台湾の国防部が、有事や災害時に電力を安定的に供給するための軍事用設備を公開した。中科院が開発した機動的な再生可能エネルギーを利用した電力供給システムで、兵士1人でも携帯できるものから、大型のコンテナ式までさまざまなサイズの設備があり、戦時でも正常に作動させることができるという。

(台北中央社)政府系研究機関、国家中山科学研究院(中科院)は18日、国防部(国防省)が開いた記者会見で、有事や災害などの非常時に電力を安定供給するための軍事用設備を公開した。機動性を重視し、異なる大小の設備を開発。同部の孫立方(そんりっぽう)報道官は、戦時でも軍の装備を正常に作動させられると語った。
中科院ミサイルロケット研究所の任国光(にんこっこう)副所長は、戦時では電力供給網が攻撃を受けやすいと言及。従来の軽油を使った発電設備は熱を持っていることから敵軍に発見されやすかったとし、新設備ではグリーンエネルギーなどの技術を採用したと説明した。
中科院は、部隊の規模に応じて活用できるさまざまな大小の設備を開発。兵士1人でも携帯でき、作戦実行時や連絡用の機材に電力を供給できるものから、部隊が郊外に拠点を設ける際に利用できるスーツケース型のもの、大型のコンテナ式のものまで公開した。
大型のものは模型が展示された。車両やヘリコプターで運搬でき、兵士が2人いれば10分以内でセッティングが完了し、軍用車両への電力供給が可能だという。
孫氏は、ロシアから軍事侵攻を受けているウクライナの経験が示すように非常時に電力が不足すると市民や軍に多大な影響を及ぼすと指摘。中科院はこれを見据えて電力を貯蔵する設備を開発したと紹介し、機動的な装置による再生可能エネルギーを利用した電力供給システムを実現させたと評価した。
(呉昇鴻、游凱翔/編集:楊千慧)