注目ポイント
日本のようにトータルでブライダルをプロデュースしてくれるサービスが少ない台湾では、結婚式で使うブーケや装花を自分たちで手配する新郎新婦も珍しくない。花屋へのオーダー方法やネットで良い花屋を探し出すコツを、台北で花屋を営む日本人店主がレクチャーする。
花屋をやっていると、世の中の変化を花の依頼内容で把握することができる。最近、台北はコロナ以前の生活に戻りつつあり、結婚式の装飾の依頼や、ウェディングブーケのオーダーもかなり増えてきた。
しかし、結婚式の装飾やブーケを探している方のほとんどは、オーダー方法が分からなかったり、日台夫婦なら言葉の問題があったりする。今回は台湾で結婚式を挙げる際の花のオーダー方法についてご紹介する。
台湾にはブライダル企業がほとんどない
日本にはブライダル企業が多数あり、挙式や披露宴のプロデュースや、装花や衣装の手配、海外での挙式のコーディネートなど、婚礼に関するサービスをトータルで提供してくれる。新郎新婦は専属のウェディングプランナーから丁寧に説明を受けられるし、料金も割と明確である。
一方、台湾にはブライダル企業が少なく、ウェディングプランナーも個人でやっている場合が多い。たとえブライダル企業に依頼したとしても、式場からドレスや花の手配まで、どれをとっても高額になる可能性が高い。そのため、資金に余裕のない新郎新婦は全て自分たちで手配するか、格安で引き受けてくれる個人のウェディングプランナーを探すことになるのだ。
ウェディングプランナーは自分の知り合いや親類の花屋と提携している場合が多く、花の手配も比較的スムーズに行ってくれる。プランナーによって、全て手配してくれることもあれば、花屋との仲介だけで、連絡は新郎新婦からすることもある。格安のプランナーなら、満足のいく花を手配してもらえるかどうかは運次第。よく打ち合わせをして、理想の花のイメージを明確に伝えることが重要となる。
花屋に直接オーダーする場合は?
新郎新婦が花屋に直接オーダーすると言っても、多くの花屋はウェディングに対応できていないのが現状だ。夫婦経営で人手不足だったり、ウェディング用の花をそもそも扱っていないこともある。そのため、花屋に出向く前にウェディング対応ができるかどうかを確認した方が無難である。
花屋は、お供え用の花を陳列しているような花屋は避けて、輸入花材や珍しい花を積極的に取り入れている花屋を選ぶこと。ウェディングでは特殊な花を使う場合が多いからだ。
例えば私が経営する花屋では、お客様にとって一生に一度の大事なイベントのために、なるべく無傷のものや開花時期が挙式にちょうど良くなる花材を使うが、台湾で無傷の花を仕入れることは難しく、そういった花を厳選している花屋は少ない。
そのため、もし気になる花屋があったら、直接店頭に出向いて細かく要望を伝えるとともに、結婚式の実例写真やブーケの参考画像などを見せてもらい、花の品質を確認することも重要になってくる。インスタグラムやウェブサイトの画像が無傷でいくら綺麗でも、実際は傷を修正して消していることが多く、あまり参考にならないからだ。

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