2023-04-18 流台湾

球春到来!台湾のWBC戦士―呉念庭、宋家豪、張育成のいま―

© Photo Credit: GettyImages 張育成選手

注目ポイント

WBCが終わって、日本、台湾、アメリカで2023年ペナントレースが始まった。WBCで活躍した台湾代表チームの選手もそれぞれのグランドに戻り、優勝をかけた熱い戦いが一年続く。その中から西武ライオンズの呉念庭選手と楽天イーグルスの宋家豪投手、そしてボストンレッドソックスの張育成選手が今どんな活躍をしているのか、見てみよう。

パナマ戦で完璧リリーフの東北楽天ゴールデンイーグルス宋家豪

3月8日、台中インターコンチネンタル球場で行われた台湾vsパナマ戦9回表、リリーフ登板した宋家豪はパナマ代表コルドバをセンターフライ、続くアラウスをサードゴロ、ベタンコートをセンターフライに打ち取り三者凡退、完璧なリリーフであった。イタリア戦でも9回表に登板、1安打は許したものの後続をぴしゃりと押さえ11‐7で勝利、オランダ戦では9回表1死後にマウンドに上がり、ディダーに本塁打を打たれたが、その後2つのアウトを取り、台湾代表チームは連勝。最後のキューバ戦に敗れ台中ラウンド2勝2敗で一次リーグ敗退となったが、宋家豪は守護神の役割を十分果たした。

WBC大会後、楽天に合流した宋家豪はこれまで(4月16日現在)4試合にリリーフとして登板、0勝0敗0セーブで防御率は6.75、まだ満足できる成績は残せていないが、WBCの時のような快刀乱麻の活躍を見せてほしい。

宋家豪選手

 

打率3割越えの西武ライオンズ呉念庭

WBC4試合に出場し、打率3割3分3厘を残したサード呉念庭は、4月11日のロッテ戦から一軍公式戦に3塁手として出場、これまで(4月16日現在)の成績は4試合、10打数、3安打、打点1、打率3割だったが、今季初打点を記録した16日の試合で日ハム江越と3塁で交錯し右足を負傷した。たいした怪我でないことを祈るばかりである。

呉念庭選手

 

WBCベストナイン選出のレッドソックス張育成

WBCでは大会終了時にベストナインを発表する。「オールWBCチーム」と呼ばれ、非常に名誉なことである。侍ジャパンからは大谷投手と吉田外野手が選ばれた。特記すべきは台湾から張育成が選ばれたことだ。台湾は2006年の第1回大会から連続出場しているが、オールWBCチームに台湾人選手が選ばれたのは初めて。しかも今回は大谷や吉田の他にキューバのミゲル・ロメロ投手、メキシコのパトリック・サンドバル投手、ベネズエラのサルバドール・ペレス捕手、アメリカのトレイ・ターナー内野手やマイク・トラウト外野手など、そうそうたるメンバー11人が選ばれたが、1次リーグで敗退したチームから選ばれたのは張育成だけである。

張育成選手

張育成は今大会で1次リーグ全4試合に4番一塁で先発出場、16打数、7安打、本塁打はチーム最多の2本、8打点をたたき出し、4割3分8厘の高打率をマークした。また張育成は1次リーグA組のMVP(最優秀選手)にも輝いた。台湾人選手のMVP受賞は2013年の陽岱鋼以来10年ぶり2人目の快挙である。

レッドソックスの張育成は今シーズン、17打数ノーヒットと調子はいまひとつだったが、今日(4月16日)の対エンゼルス戦で、グリーンモンスター越えの特大ホームランとヒットを打ち、打点4を記録した。大リーグのテレビ中継は「この人(張育成)こそWBCで見た人だ。予選リーグA組でMVPを取ったあの人だ(The guy we saw in WBC, he is the MVP in pool A.)」と大興奮。

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