注目ポイント
台北在住の料理家でライターの遊佐水亜さんが、台湾各地の歴史ある市場やファーマーズマーケットを舞台に、季節のおいしい食材や台湾らしいユニークなモノやコト、その楽しみ方を紹介する月イチ連載。今回は台北西部の永楽市場を紹介します。古くから繊維問屋街として発展してきた市場は、この時期、目にも鮮やかな野菜や果物も並び、並んででも食べたいローカルフードも充実しています。
観光やショッピングついでに立ち寄れる伝統市場
今回ご紹介するのは、迪化街(大稻埕)エリアにある永楽(ヨンルー)市場。週末はもちろん平日も多くのお客さんでにぎわう伝統市場です。このあたりは昔「永楽町」と呼ばれ、輸入繊維の卸売市場として台湾で最大規模を誇っていたのだそう。今も市場の2・3Fは布市場になっており、布生地や服飾雑貨を探すのにはうってつけ!

1Fには生鮮食品や雑貨店のほか、ローカルグルメを味わえる飲食店もいっぱい。おしゃれなおみやげショップやコーヒー店なども点在していて、若い人にも浸透している台湾の市場カルチャーを肌で感じられます。
場内の有名店といえば「林合發油飯店」の台湾風おこわ「油飯」(後ほどご紹介します)ですが、最近では、お寿司やお刺身をその場でいただける「丸隆生魚行」にも長蛇の列ができています。
現地の人々と交わすやりとりも楽しんで
市場の生鮮食品エリアには、いくつかの青果店、鮮魚店、精肉店などが軒を連ねています。なかなか外国人には手を出しづらい雰囲気かもしれませんが、お店の人たちの多くは観光客慣れしていることもあり、みなさんフレンドリーで親切。

今の時期だと、八百屋さんには栄養たっぷりの葉野菜、豆類、ブロッコリーやカリフラワーなどがたくさん並んでいます。また、ゴーヤ、へちま、なす、きゅうりといった夏野菜も早くも登場。この日は、店主さんにおすすめや調理法を聞いたりしながら、ゆっくりとお買い物を楽しむことができました。

フルーツでは、柑橘類、スモモ、メロンなどに加えてマンゴーも少しずつ増えてきました。マンゴーといえば甘みも香りも強い「愛文芒果」がおなじみですが、4〜5月は緑色の「土芒果(土マンゴー)」が最盛期! 甘酸っぱくてジューシー、とてもおいしいので見かけたら食べてみてくださいね。
並んででも食べたい! 風味豊かな油飯(台湾風おこわ)
生鮮食品を買う前に「林合發油飯店」の行列に並び、「油飯(台湾風おこわ)」を買って自宅に持ち帰りました。サイドメニュー「滷蛋(煮玉子)」と「雞腿(鶏もも)」も忘れずにオーダー。もちもちとした油飯はほんのり甘じょっぱい醤油風味で、干しエビや干ししいたけ、豚肉がたっぷり入っていて絶品でした!

夕方になるとだいたいのお店が閉まってしまうため、午前中からお昼にかけての時間帯に訪れるのがベター。テイクアウトできるお店もたくさんあるので、観光がてら台湾らしいお惣菜やおやつを調達してみては?
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