2023-04-14 政治・国際

白色テロ女性被害者描いた台湾映画、東京で上映 「物語世界に伝える」

注目ポイント

台湾戦後の戒厳令下で国民党政権によって行われた政治的迫害「白色テロ」の女性被害者の物語を描いた台湾映画「流麻溝十五号」が12日夜、東京で初上映された。

台湾映画「流麻溝十五号」の東京上映会に出席した(左から)製作者のヤオ・ウェンチー前立法委員、謝長廷駐日代表、「全日本台湾連合会」の趙中正会長

(東京中央社)戦後の戒厳令下で国民党政権によって行われた政治的迫害「白色テロ」の女性被害者の物語を描いた台湾映画「流麻溝十五号」が12日夜、東京で初上映された。製作者のヤオ・ウェンチー(姚文智)前立法委員(国会議員)は、同作は台湾の物語を次世代や世界に伝えるためのものだとし、非常に大切なことだと考えていると語った。

同作は1950年代に離島・緑島の刑務所に収容され、思想の再教育を受けた女性政治犯たちの口述記録などをまとめた書籍を基に映画化された。「流麻溝十五号」とは緑島に拘禁された政治犯に与えられた戸籍所在地のこと。

ヤオ氏は、同作が以前大阪で公開された際、観客席にいた多くの日本人が泣いていたと振り返り、自由や人権、命に対する思いは世界共通なのだと感じたと話した。

また、台湾の歴史をテーマにした映画はまだ少ないと訴え、最も影響力のある映像文化を通じ国家全体の文化に対する意識、価値観に対するアイデンティティーを形作っていく必要があるとの考えを示した。

上映会に出席した台北駐日経済文化代表処の謝長廷(しゃちょうてい)代表(大使に相当)は、同作は台湾の民主主義について描いた映画だとし、より多くの日本人に台湾の民主化の過程を知ってもらえればと期待を寄せた。

(楊明珠/編集:楊千慧)

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